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839 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/03/18(土) 01:34:14
海外の近代文学はだいたい後味が悪い。
短編だとそれが際立つように思う。

アメリカの、のどかではあるがつまらない田舎町に母娘が引っ越してきた。
母親は地味で冴えない風体だが、
まだ10歳にもならない娘のほうはやたらと目立つ女の子。
目の覚めるような美人でこそないが、
鬘を被ったような巻き毛に、整えた眉、
いつもパーティドレスを着ていて、レディのような立ち振る舞い。
化粧をした子供など見たこともないような田舎の少年達にとっては、
憧れを通り越して畏怖さえ憶えるような、存在感のある少女だった。
少年たちは彼女に夢中になる。そのために喧嘩が起こったりする。
彼女は確かに特別な魅力のある女の子だった。
ある日その町で、「優勝すればハリウッドのスクリーン・テストが受けられる」という
触れ込みのコンテストが開催される。
彼女はそこで、すばらしい演技を見せる。
それはまさにハリウッドに推薦されても然るべきと思われるものだった。
彼女は優勝するが、その話はそれっきりになる。コンテストの話自体が詐欺だったのだ。
そこで彼女は幼い少女とは思えないほどの行動力とカリスマでもって詐欺の首謀者を糾弾し、
人々が彼に支払った小切手を取り戻す。
そしてその金を彼女のハリウッド行きの資金に使うことを提案し、町民もそれを承諾する。

彼女がハリウッドへと旅立つ日、彼女に想いを寄せていた少年たちも和解し、
協力して彼女のための花束を作る。雨の日の門出。
花束を受け取るために彼女が道路を渡ろうとしたとき、
折りしもやってきたバスが、彼女を轢き殺した。

冒頭で結末が語られているとはいえ、まさに心に穴が開いたような気分になった。
「誕生日の子供たち」 トルーマン・カポーティ作。


842 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/03/18(土) 03:21:39
>>839
そんな田舎町で交通事故にあうとは…
さすがの天才少女も、旅立ちでハイになってたんかな。
別にこれと言って悪いことしてるワケでもないのにカワイソス
無事成長してたら、キップの良い魅力的なお姉さんに
なってたろうになあ…

843 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/03/18(土) 04:56:00
カポーティはホモで、そういう少女の顔をした大人びた女をとても嫌ってたんだよ。
女で唯一好きだったのが内気すぎて結婚できなかった、
ケーキ作りの上手い優しい地味な叔母さん。
カポーティ自身がとても面白いので文学部の学生が卒論のテーマによく選ぶよね。

855 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/03/18(土) 12:12:34
>>843
ケーキ作りのおばさんは「クリスマスのおもいで」のモデルかな
ゲイの割りに女に対する視線はかなり優しいと思う

「遠い声遠い部屋」では
こまっしゃくれた双児の片割れ(綺麗な方)は嫌いなんだろうな…って書き方だったけど
子供の頃にそういう女の子に虐められでもしたんじゃないの?

 

誕生日の子どもたち (文春文庫)
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