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314 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/10/19(木) 17:53:31
P・ルイス著『神秘のばら』

昔、ある百姓が市場へ行く際、二人の娘にそれぞれ土産はなにが良いか訪ねた。
上の娘はおしゃれ好きで既にドレスをたくさん持っていたが、
お土産には絹のドレスがほしいと言った。
下の娘は姉よりずっときれいだったから、別に飾り立てる必要がなかったので、
お土産にはばらの花を一輪摘んできてくれればいい、と言った。
百姓は予定の買い物を終え、姉の土産のドレスも首尾よく買う事が出来たが
下の娘の為のバラがなかなかみつからない。
このまま帰れば、高価なドレスをねだった姉はさぞ喜ぶだろうに
一輪の花しかほしがらなかった下の娘はがっかりするだろうと思うと百姓は恥ずかしかった。
と、家に近付いた道端で不意にみごとなバラの茂みを発見した。百姓は喜んでバラを手折ろうとした。
するとバラが口をきいて
「花を上げるのは構わないけれど、あたしの花をほしがった人にぜひとも直接お礼を言ってほしいから
 明日の朝、あなたのお嬢さんをここへ遣してちょうだい」と言った。
約束してバラを摘み取った百姓は、帰って下の娘にそのとおり伝えた。


315 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/10/19(木) 17:54:06
翌日、下の娘は約束どおり、道端のバラの茂みまでやってきて、バラの木に挨拶した。
するとバラの蔦は娘に巻きついて締め上げ、言った。
「残酷な子ね。姉さんと違ってあんたがほしいのは、人に災いを与えるようなお土産なのね。
 ばらの花は生き物なのよ、それなのに、なぜ殺したの。
 人間のからだを血が流れるように、あたしたちのからだには樹液が流れている。
 そうと知りながら、どうしてその樹液を撒き散らしたりしたの。
 こうなった以上、あんたは人間の姿ではいられない。春が来て最初に咲いたあのばらの花も今はない。
 だから、それと引き換えに、あんたを、あれとそっくりの花に変えてくれる」
そう言いながら、バラの木は娘をさらに締め付けた。娘はばらの命を奪ったことを懺悔して
きのう自分のために切り取られたバラの木の切り口にくちづけた。
すると娘の純真な心が花となり、その切り口に新しいバラを咲かせたので
バラの木は娘を解放したのだった。

なんかこう、全体にモヤモヤするっていうか、イライラするっていうか、
「姉より飾り立てる必要がないからバラでいいわ」とかいう妹もなんだかなぁって感じだが
バラの「絹のドレスほしがる姉より、花をほしがる方が残酷だ」って理屈も身勝手というか
絹のドレス作るのに何匹のカイコが犠牲になってると思ってんだ、って思ったし。
読後感のわるいお話だった。


317 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/10/19(木) 18:18:21
>>314-315
最初のあたりが美女と野獣みたい

 

植物 (書物の王国)
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