ホーム » 小説 » 小説/か行 » 暗い雲におおわれて(ロバート・スウィンデルズ)

448 名前:ミステリアス・クリスマス 1/4 投稿日:2006/11/23(木) 21:04:52
本で読んだ話です。

ローラは病気の母の為にクリスマスのプレゼントを選んでいた。

そんなローラの目に一枚の絵画が映った。
風の吹き荒れる荒れ野の絵だ。
ずたずたに切れた雲の様子が、風のうなりを感じさせる絵だった。
ローラは水彩画の好きな母にこの絵を買って帰ろうと思ったが、90ポンドもした。
結局その絵を買えずに落ち込んで歩いていると、一人の女性が話しかけてきたので、
ローラはその女性の柔らかな雰囲気につられて、いつのまにか事の顛末を話してしまっていた。
その女性は、
『わかるわ、ローラ。いまは、そんなことあるはずない
(病気の母が死ぬこと。父は悲観的な見方をしている)って気がするんでしょ。
でもね、雲は風で吹き飛ばされるわ。そういうものよ。
わたしたちがしなければならないのは、太陽がまた顔を出すまで、頑張りとおすことなの』
そう言って女の人は去って行った。

家に帰ると、父が料理をしていて、
『どこへ行ってたんだ?』と厳しい口調で聞いた。
『五時二十分だぞ』


449 名前:ミステリアス・クリスマス 2/4 投稿日:2006/11/23(木) 21:06:10
ローラは適当に父をあしらうと、二階の母の所へ行った。
学校は楽しかったかと聞かれたが、そんなはずもなく、
『わたしみたいにベッドの上で振り返るなんてことにはならないといいわね』
と言わせてしまった。
ローラはあわてて弁解すると、自分の部屋へ向かった。

『太陽が顔を出すのを待つのよ』とつぶやく声が頭の中で聞こえた。

それからというもの、ローラは気がつくと荒れ野の絵のことや、女の人の言葉をずっと考えていた。
学校で母のことを友達に聞かれて泣き出してしまったり、
『私は待っている。太陽が顔を出すのを待っている』
とつぶやいていることが何度かあった。

その日の帰り道、画廊のショーウインドウをのぞくと、あの絵はまだそこにあった。
こころなしか、雲に明かりが射しているように見えた。

その日帰ってから、ローラは機嫌が良かった。鼻歌を歌いながら母の夕食を作っていると、
父が帰ってきて、ローラの方を向くとにこっと笑った。
これはすごいことだ、とローラは思った。


450 名前:ミステリアス・クリスマス 3/4 投稿日:2006/11/23(木) 21:08:58
次の日ローラはまた画廊をのぞきに行った。
やっぱり。明るいところがある。私が勝手に思い込んでた訳じゃなかったんだ。
真ん中からちょっと左の部分が輝くように赤くなっていて、いまにも日がさしてきそうだ。
最初に絵を見たときは、雲が怖い顔でこっちを睨んでいて、まるで今日だけじゃなくて、
これからも太陽は現れない─太陽は死んだ、とでもいおうとしてるみたいだった。
それなのに、どうして─

その日帰ると、母がベットから起き上がって料理をしていた。
ローラはうれしくてどうにかなりそうだった。

その夜、ローラは静かに横になりながら、女の人の言葉を思い出して、微笑んでいた。

ローラは、画廊の持ち主がその日ごとに絵を変えているんだと思った。

次の日ローラは学校が終わると、まっすぐ家に帰ろうと思っていた。
寄り道のことなんか考えずにすむのはすてきなことだ。

しかし、ローラは絵の謎が知りたくて、画廊へ寄った。


451 名前:ミステリアス・クリスマス 4/4 投稿日:2006/11/23(木) 21:11:01
今日の絵では、日がさしている。
ローラは涙で濡れた目を絵からそらした。
だめ。90ポンドなんか持ってないんだから、しかたないでしょ。

ローラは心を決めて、店の中に入った。
店のオーナーは、あの女の人だった。
ローラは女の人に自分の推理を話した。
しかし予想に反して、絵は一枚ということだった。
『だってあの絵は私が描いたものだもの。そんなにあの絵が気に入ったのだったら、
私にプレゼントさせて頂戴』
ローラは悪いと言って断ったが、女の人は譲らなかった。
『ありがとうございます。私、この日のことは絶対に忘れません』
『いいのよ。それに、あなたのいうとおり、あなたは決してこの日のことを忘れないわ。
それからもう一つ。お母さんのことは心配しなくていいわよ─
お母さんには、病気はもう過去のことだから』

ローラはぽうっとした気分へ家へと向かった。自分がひどい思い違いをしているとも知らずに。

家は火事で燃えており、家の前では父が肩を落としていた。
母が料理をしようとして起こしたものだった。

ローラは女の人の言葉を思い出して、包み紙を破いた。
そこには、空一面を覆っている暗い雲の風景があった。

ローラは知るよしもなかった。そのときには画廊はすでに空っぽで、
ショーウインドウには『売店舗』と殴り書きされたカードが一枚かけられているだけだとは。


453 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/11/23(木) 21:14:34
>448-451 つまり
意地悪な悪魔が病気の母を持つ娘の気持ちを弄んだって話だよね
なんか絵や女の言葉がちぐはぐですっきりしない

454 名前:ミステリアス・クリスマス 投稿日:2006/11/23(木) 21:18:28
>>453すいません書きなれてないもので。
そういう感じです。

 

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