ホーム » 小説 » 小説/や行 » 夜よ鼠たちのために(連城三紀彦)

191 名前:1/2 投稿日:2007/05/11(金) 10:26:58
連城三紀彦の短編「夜よ鼠たちのために」
※これ叙述になってて、内容圧縮しただけだと分かりにくいんで大雑把にまとめます。

白血病の権威である開業医、その娘婿の医師が相次いで殺される。
どうもこのところ誰かに脅されていららしいのだが、
殺したのはその病院に数年前から通院・治療していた女性の夫。
彼女は現在「完全に健康」と言われて家で楽しく主婦業をしているのだが、
なぜ夫は医師たちを殺したんだろうか?

数年前に体調不良で検査した際、「白血病」と診断された妻。
治療の甲斐あっていまは元気そうにしているが、
ある日新聞記者をしている夫のもとを当時の看護婦が訪ねてくる。
その看護婦は娘婿の医師と不倫関係だったが捨てられてヤケクソになって事情をチクリに来たのだった。


192 名前:2/2 投稿日:2007/05/11(金) 10:30:25
「数年前のあのとき、奥さんは健康体だった。
 カルテの取り違えミスがあって健康体だったのに白血病診断をしてしまった」
「うちの病院は白血病の権威、夫のあなたはマスコミ関係。正直に「診断ミス」と言えなかった」
「だから本当に白血病にしてしまえと考えたの」
「白血病治療ではありえないが、放射線を死なない程度に大量に当てた。そうすれば白血病を発病する。
 また治療として通院させて体力も落とした」

医療ミスで医師たちを訴えることもできるが、そのとき「証拠」になるのは
白血病診断をされたのに放射線を浴びせられた跡がある妻の体だった。
元気になったと思っている妻にその事実を伝えることはできない。
開業医に「妻に「完全に健康」だと伝えろ」とだけ脅迫して、
あとの復讐は自分の手で行うことに決めたのだった。

※この夫は「犯人」として、最近その病院で妻を亡くした知人を仕立て上げていて、
 なんで本人は捕まらないと思ってラスト「あと半年の命の妻と楽しく暮らそう」と思っているのだが
 実際は警察がカルテ取り違えミスまで捜査の手を伸ばしているのですぐ捕まってしまう感じ。


193 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/05/11(金) 13:58:46
なぜ、完全に健康な妻の余命が半年?

194 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/05/11(金) 14:31:31
健康な妻 → 放射線治療により白血病発症 → 余命半年
夫は、それを妻に教えたくないから
医者を脅迫して「健康になった」と言わせた。
ということだと思う。

195 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/05/11(金) 14:52:09
夫は、医者たちが行った犯罪を知った上で、医者たちを脅している。
で、妻が死んだ後に復讐をしようと思っている。

196 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/05/11(金) 15:23:25
>193,194 スマソその通りです。
>195 いえ、既に復讐してます(第一段落の殺人事件。第二段落以降はその説明です)。

>196
まとめられなかったのでいま書きますと、
冤罪着せられた知人も作中で夫により殺され海に沈められています。
あとチクった看護婦も「止められたのに止めなかった」で殺されています。

「叙述」になってる部分は、
途中まで「俺=知人=犯人の一人称」だと思って読んでたのに
実は「俺=夫=犯人の一人称」だったというものでした。
読んでたこっちもてっきり知人が主人公で医者殺ししてると思っていました。


198 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/05/11(金) 16:18:35
「俺=知人=犯人の一人称」だと思って読んでたのに
実は「俺=夫=犯人の一人称」

この辺おもしろそう。作者が意図的にやってるんでしょ?読んでみたくなったよ。
でも知人気の毒。


199 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/05/11(金) 16:53:52
>作者が意図的
はい、面白いのでぜひ読んでみてください。

>知人気の毒
追加ですみません、また夫と知人との関係が複雑で

夫と知人が知り合ったのは、子供のときの孤児施設。
当時の知人は嫌われものの乱暴もので、
おとなしい夫がこっそり可愛がってたネズミを見つけて
針金で絞め殺してしまう。
2日後夫はナイフで知人に切り掛かり怪我をさせ、そしてなんとなくお互い矯正されて「友達」になる。

一見普通に成長した夫は、
言い方は悪いがネズミのかわりとなる愛しい妻を手にいれ幸せだった。
しかしその妻の医療ミス事件、再び愛しいものを失うことになるだろう事件が切っ掛けで
ネズミを失った昔に引き戻されてしまう。
そして、知人にだけは自分が犯人だとわかるように
医師殺しでは刺殺したあと必ず首に針金を巻き付け「印」とし、
「自首する」と言って知人を呼び出しやはり刺殺後に針金を巻き付ける。

子供時代に知人が夫のネズミを殺さなければ夫はこうなってなかったかもしれないのですが、
しかし子供時代にネズミを殺したことから最終的に自分が殺されてしまう知人も可哀想かもしれません。

また医師殺しのとき医師に
「いま白血病に効く薬を開発してる 奥さんの命をあと数年は保たせられるはずだ
 俺を殺したら奥さんの寿命は半年だぞ」
と言われているのですが、夫は自分自身の復讐心を優先して医師を殺しています。

 

夜よ鼠たちのために (新潮文庫)
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