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14 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/06/27(水) 04:26:54
誰のか忘れたけど短編小説から

主人公は田舎の旧家の若者。
家は金持ちだけど呪われた家系で、その家に生まれた人ははなぜかみんな50歳で死んでしまう。
成人してしばらくたった主人公は、父親が死んだことを機に、蔵の中を調べたりしているうちにその理由を突き止める。

実は呪いだと思っていたのは神様の加護で、その昔、自分の祖先が「子々孫々まで絶対に50歳まで生きさせてくれ」
と氏神様に願い、それが聞き届けられたからだった。
50歳までは絶対に死ぬことはないが、50歳になると必ず死んでしまう。
それでも昔は、平均寿命は短くて50歳まで生きられる人は相当な長生きだったのだ。

それを知った主人公は自暴自棄になり、犯罪組織に入って滅茶苦茶をやった。
危険な仕事や強盗をし、酒を浴びるように飲み、あらゆる麻薬に手を出す。
それでも50歳までは命を保障されているのだから、何だってできる。
無茶をやりすぎて今では複数の犯罪組織から追われる身になり、すっかり疲れ果てた頃、故郷の母が死んだ。
母はよその家から嫁いで来たので50歳を過ぎていても生きていたのだった。
故郷に帰って母親の遺品を整理していたら、遺言状のようなものが出てきた。

「もう気がついているでしょうが、この家は呪われた血筋です。みな、50歳になると必ず死んでしまうのです。
 でも安心して下さい。あなたをそんな目に合わせないために、私は近所の男と浮気をしてあなたを生みました。
 だからあなたに呪われた血は一滴も入っていません。50歳になっても死ぬことはありませんよ。」

 

夜のかくれんぼ (新潮文庫)
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