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98 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/06/28(木) 01:26:02
「大鎌」
定職が長く保てない男が新天地を求め、
妻と娘を連れて何も無い田舎道を車を運転していると、
広大な麦畑を有した一軒の農家をみつけた。
中を覗くと老人の死体があり、遺言状が置いてある。
それによると、誰でもこれを一番に見つけた者に、この農場を譲ると書いてある。
一家は突然訪れた奇妙な幸運に戸惑いながらも、この農場に住むことにした。

しばらくして麦の刈り入れはじめた男は、自分が死神の仕事をしていることに気が付いた、
麦一本一本が人の命であり、男が鎌でそれを刈り取る度に、誰かが死んでゆくのだ。
このことを妻と相談するが、妻は衣食住が保障された今の生活を捨てることをしぶる。
男はしぶしぶと麦を刈り続けた。

ある日男は自分の刈る麦の中に、妻と娘のものが混じっているのに気が付いた。
男はそれを刈り取らないように細心の注意を払い、周りの麦だけを刈り取って行った。
仕事を終えて帰ると、家が全焼している。焼け跡の中をさがしてみると、
何事も無かったように無傷で眠る妻と娘を見つけた。
男は二人を揺り起こそうとしたが、全く起きる気配はない。
麦を刈らなかったので肉体は生きている、しかし魂はすでにそこには無い。
やがてこの事実に気づいた男は、大鎌を持ち、娘と妻の麦を刈り取った。

その後、男は狂ったように麦を刈り続ける。男が鎌を振るたびに、人が死んでゆく。

しばらくして、麦を刈る男を見かけた者がいた。彼は男に話しかけたが、
ただ黙々と麦を刈り続けるだけだった。

 

10月はたそがれの国 (創元SF文庫)
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