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127 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/07/07(土) 23:50:08
中島らもの小説にあったエピソード。

入院中、同室になったじいさんとその妻の描写。
いかにも昭和の男尊女卑思想に染まった頑固じいさん、介護してくれる妻にあれこれ当たり散らす。
妻はハイハイ、と笑いながら受け流し、周りの入院患者に対しては
「すいませんねえ、こんな頑固なおじいさんで。いつもご迷惑かけてます」 と頭を下げる。

初めはそれを微笑ましく眺めてた主人公だったんだけど、
見てるうちにその妻が、意外とじいさんに対してぞんざいな態度を取っていることに気付く。
ああしろ、こうしろとわめくじいさんの要望はすべて、にこにこ笑って受け流す妻によって
「ただの我侭、老人の繰言」 として軽くあしらわれてしまい、じいさんは不自由を強いられている。
果物を口に運んでやれば口からだらだらと汁をこぼすじいさんを見て、
「まあ本当に汚らしい。すいませんね、こんな風で」と周囲に向かって彼を馬鹿にする妻と、
早く拭け、とわめき散らすじいさん。

もしかして、これは長年虐げられていた妻の、復讐なんじゃないか。
じいさんの体が自由にならないのを良い事に、じわじわとこれまでの恨みを晴らしているんじゃないか。
そう思ってしまうと、以前のように微笑ましい気持ちではその二人を見られなくなってしまった。


129 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/07/07(土) 23:59:17
>>127
妻の気持になるとスカッと話。

 

今夜、すベてのバーで (講談社文庫)
今夜、すベてのバーで (講談社文庫)


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