首飾り(阿刀田高)

184 名前:本当にあった怖い名無し :2009/01/17(土) 23:42:41
阿刀田高の短編

主人公の女は、結婚時に母から「夫婦仲を良くする真珠のネックレス」をもらう。
母も嫁入り時に祖母から貰ったものだという古ぼけたそれを女はとりあえずしまっておいた。

女の結婚は半分見合いのようなもんで
請われていくのが幸せだと言われ別に心底愛してる程でもない平凡なサラリーマンとの結婚だった。
主婦となり数ヶ月が過ぎたある日、住んでいる団地近くで腹痛でしゃがみ込んでいる若者を見つける。
気になり話しかけ、医者を呼ぶほどでもないがちょっと休ませて…て感じで家に上げ、
その日は無事快復し後日若者はお礼の手土産を持って現れ
ちょうどそのときかけていたレコードの話で盛り上がり
若者は日中にしばしば女のもとを訪れるようになる。そしてそのうち肉体関係ができる。

若者は地方出身で、なんとなく線が細い大人しいタイプであった。
関係ができてから寝物語に若者の実家は貧しいという話は耳にしていたが、
関係に熱が入り夫の出張中の夜に家に引き入れ夫婦の寝室でいちゃついていたある晩に
とうとう学費が払えなくなりあと数日に20万出せなければ退学になると聞く。
女はネックレスを思い出し「夫婦仲を保つものなのに…」と内心苦笑しながら
「これを売ったら20万くらいにならないかしら」などと若者に言ってみる。
そんな会話をしながらそろそろ愛し合おうと裸になったときドアが開く音がした。夫だった。
女は素早く寝間着を身に着けリビングに出、とっさに手元にあったネックレスを掴んだ。
夫が廊下を通りリビングのドアを開けた瞬間、ネックレスの糸が千切れ、真珠が散らばった。
「あなた拾って!」と驚いている夫に女は言い、若者が寝室の窓から逃げる数分を稼いだ。
夫は出張が突然中止になり帰って来たのだった。
「本当、突然糸がきれるなんて、夫婦仲を救ってくれた…」と安堵する女。終わり

なんか胸くそだった


185 名前:本当にあった怖い名無し :2009/01/18(日) 00:39:45
これで女が懲りて不倫やめれば良い話なんだけど
そうなるとは決して思えない辺りが後味悪いな

186 名前:本当にあった怖い名無し :2009/01/18(日) 01:10:14
ああ、ごめん。一応女は「ちょっとした火遊び、長く続ける遊びじゃない」って意識はもってる。
だから多分これ以降は若者とは会わないっぽい。

 

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