ホーム » 小説 » 小説/か行 » 告別(ロアルド・ダール)

278 名前:本当にあった怖い名無し :2009/05/22(金) 16:22:47
ロアルド・ダールの『あなたに似た人』にある一編。タイトル忘れた。

一人の喪男がいる。
上流階級に属し金持ちで教養深く趣味も良く、友人も多い喪男だったが、
これぞという女性に出会うタイミングに恵まれず、独身のまま初老にさしかかろうとしていた。
そんな日々の中で喪男は美しい未亡人に出会う。年はかなり若いが、知的で上品かつ教養もあり、
なにより見目麗しい彼女と喪男は急速に親しくなっていき、喪男は未亡人に恋心を抱くようになる。
しかし年齢の開きもあり、彼女の心の内が気にかかる喪男は、付き合いの長い女友達に、
彼女の気持ちをそれとなく確かめてくれるように依頼する。

その結果は惨憺たるものであった。
いい人だし趣味が上品で友人知己も多いので、孤独になりがちな未亡人としてはありがたいものの、
話が長くて退屈、葉巻臭くて息が詰まりそう、そしてなにより、雰囲気に乗じた喪男が時折、
彼女の手を取って「あと10歳若ければ・・・」と嘆息するのが嫌でたまらない、と、彼女は言っているという。
女同士だから油断した、というよりも、まったく眼中にない喪男について感じるところを正直に語った、
というものであった。
内容にもそれを報告してきた女友達が浮かべる底意地の悪い笑みにも、喪男は大きなショックを受ける。


279 名前:本当にあった怖い名無し :2009/05/22(金) 16:23:43
やがて打ちひしがれた喪男の衝撃は怒りに変わり、その矛先は未亡人へと向けられる。
喪男はいかがわしい噂のある画家を呼び寄せ、思いを寄せるある婦人の肖像を内密に手に入れたいと依頼する。
美男の画家は喜んで引き受け、未亡人に絵のモデルになってほしいと言って接近、作品を仕上げて喪男に渡す。
喪男はじっくりと絵を検分し、画家に関する噂が事実だと言うことを知る。
それは、画家がまず最初に女性モデルのヌードを描き、
ヌード画に一枚一枚服を描き足していって完成させる、という手法である。
絵の手入れについても知識のあった喪男は、塗り重ね塗られた絵の具を慎重に剥ぎ取り、
ついに未亡人のヌード画を手に入れた。
その絵は彼女のがに股や腹肉といったスタイルの欠点をさらけ出すものでもあり、
喪男は絵の彼女を嘲笑し、自分の見る目のなさを痛感する。
そして未亡人をはじめ大勢の友人たちを招き、
自らは隠れたうえで、ヌード画となった絵を衆目に晒し復讐を遂げる。

だが物語世界とはいえ現実は厳しい。
VIPやニュー速であれば「喪男グッジョブwwwビッチざまぁwww」の嵐であっただろうが、
友人知己はその場で失神した未亡人に深い同情を寄せ、喪男を非難し、去っていった。
もう誰一人訪ねるもののない喪男の館で、喪男は孤独にグラスを傾ける。そこへひとつの小包が届いた。
開封するとそれはあの未亡人からのもので、喪男を許し慰めたいという
メッセージに、喪男の大好物であるキャビアの缶詰が添えてあった。
これを受け取った喪男は強く自分を恥じ、彼女に許しを請おうと
決意しながらキャビアを食しているうちに、「急速に気分が悪くなってくる」。

でおしまい。
昔読んだときはなんとも思わなかったけど、
2chに毒された今となっては、喪男が情けないやら不憫やらで後味が悪い。


281 名前:本当にあった怖い名無し :2009/05/22(金) 16:37:17
本当の喪男は未亡人の手を取ったりしないし、
友人知己もいない
悟りが足りなかったんだな、かわいそうに

282 名前:本当にあった怖い名無し :2009/05/22(金) 18:41:52
>「急速に気分が悪くなってくる」

が、真実何を示しているかが少し気になるが。


283 名前:本当にあった怖い名無し :2009/05/22(金) 19:44:50
別に未亡人がビッチと蔑まれる言われも無いしね~
おじさんがただの勘違い野郎って感じ

285 名前:本当にあった怖い名無し :2009/05/22(金) 21:35:56
画家に絵を描かせる→隠し撮りした画像
衆目に晒す→ブログに上げる で置き換えると
どう見ても炎上するだろ。ビッチざまあじゃなくキチガイきめぇwwwwのほうで。

286 名前:本当にあった怖い名無し :2009/05/22(金) 22:57:28
なんか、どっちもどっち

287 名前:本当にあった怖い名無し :2009/05/22(金) 23:47:35
>>278-279書いたものです。
ひとつぐらい「喪男カワイソス」的なレスがつくかと思ったのにそうでもないなw
まあ確かに勝手にのぼせあがった喪男の自業自得なんだけど、自分の書き方が悪かったのだろうか。
ごめんよ喪男。

>>282
「缶が微妙にふくらんでいたような気がした」
「脂汗が出て痛みで立ち上がれない」とあったから、>>284で正解と思う。

ちなみにタイトルは「告別」だった。
短編集『あなたに似た人』はみんなこういうブラックな結末なので、
そゆの好きな人にはオススメ。つかすでに古典だね。

 

あなたに似た人〔新訳版〕II〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕
あなたに似た人〔新訳版〕II
〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕


後味悪い
(後味悪ければクリック)
読み込み中 ... 読み込み中 ...