RIKO―女神(ヴィーナス)の永遠(柴田よしき)
主人公の緑子は新宿署の女刑事。
現在、部下に当たる年下の刑事の恋人がいる一方で、交通課の女性警官と深い仲にある。
警察官の娘に生まれ、男の子の欲しかった父親は女の子ばかり生まれたので
長女の緑子を厳しく育てて刑事にしたわけだが、 ...
空の死神(星新一)
ある小型旅客機がエンジントラブルを起こして墜落の危機に陥ってしまった。
主人公はスチュワーデスで、きっと助かるから希望を持って、と乗客らに言って回る。
が、乗客達は皆冷静で、
「病苦で自殺しに行くための旅行だったからおk」
闇の戦い(スーザン・クーパー)
ネタバレになるので飛ばす人は飛ばすように
主人公の少年はある一族の末裔で、ある朝「今日から君も○○の仲間だ」と光の戦士っぽい感じになる。
知らなかっただけで周囲の「いい人」たちはみんなその仲間だった。(でも主人公の親は部外者) ...
地下室の幽霊 エンタティーン倶楽部(森奈津子)
小学生の主人公はある時、祖母が昔体験したという怪現象を聞かされる。
50年ほど前、今の主人公と同じ年だった祖母は、
一人で隣町まで遠出して散歩していたところ、同世代の少女に出会った。
舞子というその少女は祖母を大きな屋敷に連れていき、その地下室で遊んでくれ ...
瓶詰の地獄(夢野久作)
第一の瓶の内容:
とうとう救いの船がきてしまいました。私たちのお父様お母様の姿が見えます。
一番始めの瓶の手紙を読んできてくれたのでしょう。
しかし私たちはこれからあの崖の上にのぼり、海に身を投げます。
すみませんすみません私たちは犯した罪を罰せねばなりません。 ...
人間失格(平山夢明)
深夜の雪の中、「自殺の名所」の橋の上から川に入水しようとしてる若い女がいるんだが、
そこに若い男がやってきて二人の会話が始まる。
女は難病で余命一年ない。既に目は見えなくなり、
体の自由が利かなくなる前に楽になりたいと自殺しに来たのだった。
男は数ヶ月前に ...
ギリシャ神話/ミノタウロス
テセウスのミノタウロス退治も後味が悪い。
アテネは、クレタ島王の要求で、毎年7人ずつの少年少女を怪物ミノタウロスの生贄に差し出していたが、
ある年王子のテセウス自らが志願して一行に加わり、ミノタウロスを退治す ...
されど罪人は竜と踊る/黄金と泥の辺(浅井ラボ)
世界観は現代社会+一部の人間は咒式(まあ魔法みたいなもん)が使える。
見事な厨二だか邪気眼世界だと思えばほぼ間違いない。
主人公2人は、咒式を使って依頼を解決する個人事務所の人間で万年貧乏。
主人公が食事中に飛び込みの依頼人が ...
香水―ある人殺しの物語(パトリック・ジュースキント)
映画化されているけど、小説の方。
グルヌイユは生まれたとたんに、それまで産んだ赤ん坊を
何人も殺して埋めていた母親が逮捕されて死刑になったことで孤児になった。
孤児院に入れられその後皮職人の所でこき使われる 。
彼には一切の体臭が無く、そのために周りの人間に気味悪がられた ...
四つの終止符(西村京太郎)
下町で貧しい暮らしだった病身の母親が、聾者の息子が買ってくれた栄養剤で毒死する。
(息子は小さな作業場で働いていたが、聴覚障害で皆の話の輪に入れず職場で孤立していた。)
栄養剤には砒素が混入されており、状況証拠も揃っていて、当然のごとく息子が逮捕され ...