悪の教典(貴志祐介)
主人公の蓮見は陽気なイケメン教師で生徒からも教員からも愛されているが、
実は生まれつき他者への共感能力が非常に乏しく、それ故に他者の痛みを感じられない冷酷な性格。
はじめはdqn生徒を裏工作で退学に追い込んだり、モンペの家に放火したりと、
被害 ...
二十日鼠と人間(ジョン・スタインベック)
スタインベックの『ハツカネズミと人間』
恐慌下のアメリカに、ジョージとレニーという二人組がおりました。
当時多くの人がそうしていたように、適当な農場で働き口を見つけて、
低い賃金をもらって糊口をしのいでいたのですが、なんせレニーは頭が弱い。
「おで、おで、デヘヘ」という ...
ひとりで宇宙(そら)に(清水義範)
宇宙飛行士のAはたった一人で、遠い遠い星域の観測のために宇宙に飛び立った。
大歓声と共に地球の人々は見送ってくれ、Aもまた地球に帰れることを信じて、
ひとりぼっちの宇宙で一生懸命仕事をしていた。
だが任期の明ける日になっても、その次の週も、いつまでたっても迎えの ...
トレモスのパン屋(小倉明)
題名は忘れた。詳細を知る方がいれば、教えて欲しい。
主人公は国で一番のパン屋。
最高の小麦、最高のバター、最高の塩を使い、主人公も比類ない最高の技術の持ち主だった。
毎年、国のパン職人コンクールで優勝し、店はいつもお客さんでいっぱい。
ある ...
魔女がいっぱい(ロアルド・ダール)
両親を亡くして祖母と二人暮らしのイギリス人少年が主人公
主人公は祖母と出かけたバカンス先のホテルで、魔女の集いを目撃してしまう。
魔女の目的はイギリス中の子供を魔法の薬で消すこと(魔女は子供が嫌い)
主人公は魔女たちに見つかって、ネズミの姿にさ ...
誤配メール(渡辺浩弐)
一人寂しく暮らす主人公(出版社に勤める中年の男)に、ある日手紙が届く。
それは「あなたが必要です」とだけ書かれたもの。
主人公は、誰がこんな手紙を出したのかと首を傾げる。
長い間考えてまさか……と思った直後、電話が鳴った。
「あなた ...
疑惑(星新一)
N氏の職業は霊媒師
彼は死者との交信能力を持っていた。
交信能力を使った後は気怠くなり、必ずしも楽な商売とは言えず、
その上何を聞かれどう答えたのか記憶に残らないことは彼を物足りない気分にさせたが、
前者は多額の謝礼金で補われ、後者は責任が軽くなることで補わ ...
杜子春伝(鄭還古)
登場人物が皆なんだかなー…って感じの利己的で、締めのオチもなくモヤモヤが残る。
まぁ、説教臭い起承転結になってなくて、伝奇物らしいっちゃらしいけど。
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裕福だった若者が遊び呆けて財産をつぶし、仙人と出会 ...
私たちの退屈な日々/取り憑く(多島斗志之)
43歳の主婦Aは毎日の生活に退屈し、また疲れきっていた。
夫が嫌でたまらないし、大学生の娘がうらやましくて仕方がない。
家事とパートに明け暮れるだけで、何も楽しいことなんか無い毎日だった。
そこへ、パートの同僚から演劇を見に行かないかと誘われる。
同僚は ...
ふうせんの日(八起正道)
夏休みに親戚の住む街へ遊びに行った主人公の少年。
その街は原発のある場所で地元住民と
原発職員(主人公の親戚も社宅に住んでいる)の細かい確執などが主人公の視点で描かれる。
そして原発事故の発生。
大混乱の中なんとか非難した主人公たちだ ...