競争社会(渡辺浩弐)

408 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/08(木) 00:47:06
どこかで読んだ話。

舞台は、恐らく近未来。
主人公は女子高生。元々は勉強が大嫌いで、成績も全く芳しくない劣等生だったのだが
ある日を境目に、突然勉強に励むようになる。勉強が彼女の生活の中心。テストの成績もみるみる良くなった。
寝る間も惜しみ、家族と食事も取らず、まるで取り憑かれているかのように勉強する主人公。
参考書を見ている間、夜食を部屋に持ってきた母親にさえも気づかないほど集中して、ひたすら勉強勉強勉強。
家族達は、異常とも思える主人公の豹変っぷりに疑問を抱きながらも、勉強してくれるなら…と喜ばしく思っていた。
だが、それには理由があった。

数週間前の成績発表の日、順位はいつも通り下から数えたほうが早い主人公。
だが、友人Aは常にトップの成績を保っており、今回も同様だった。主人公はふとAに聞く。
「どうしてそんなに勉強が出来るの?」
Aは笑いながら言う。「きっと世間は優れた人材を残しておきたいから」
どういう意味だ、と考える間もなく主人公の脳裏には「国民順位」がよぎった。

「国民順位」とは、法律で定められた人間の甲乙を決める順位だ。
もちろん国中の1人1人に順位がつけられており、日に日に変動しているらしいのだが
日常生活には一切顔を出すことのない順位なため、
ほとんどの人間が国民順位のことなど忘れて毎日を生きているのだ。
何のための順位かすら、知る人間も少なかった。

話をよく聞くと、Aの父親は政治家であり、つい先日の会議で
「増えすぎた人口を減らすために国民順位の一億位以下の者は処刑する」という政策が取られる事が決定したらしい。
そもそも「国民順位」はその政策のために作られたものだというのだ。Aはそれを避けたくて勉強しているとのこと。
「どうしてそんな話をしてくれたの?」
「私、実はもうすぐ転校するの。誰かに話しておきたくて」
そして数日後、Aは学校から姿を消す。


409 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/08(木) 00:51:15
青ざめ、人が変わったかのように必死に勉強する主人公。
だが無理な勉強法がたたり、ある日とうとう倒れてしまう。
痩せこけた頬に血走った目、タコだらけになって痙攣を起こし、鉛筆すら握れなくなってしまった手。
そんな主人公の元へ、転校したAから連絡が入る。国民順位の結果を教えるために連絡してきたという。
主人公の順位は、1億数千位。
具体的に言うと、主人公の順位は一気に2000位くらいアップしたらしい。しかし、上にはまだ数千人。
絶望にかられ、呆然とする主人公。

その主人公の元へ、猛毒を送りつけようとしている男がいる。男はAの父親であった。
全ては実験だったのだ。
順位が劣る人物へ国民順位の話を吹き込む。すると、話された人間は並大抵以上の努力をする…。
だが、もちろん1億位に手が届かない者がほとんどである。そんな彼らに猛毒を渡す。
こちらが手を下さずとも、絶望した彼らは自ら命を絶ってくれる…
思い通り、実験体は大抵猛毒を飲んで命を落としてくれる。
実験の結果、3,4000人はそのおかげで手を下さずに死んでくれた。
男はほくそえみながら、主人公への荷物を出す…

うろ覚えだから、たぶんおかしいとこもあると思うんだけど


410 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/08(木) 01:00:42
飲んだか飲んでないのか分からないのが後味悪いな。

411 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/08(木) 01:42:31
優れた人材を残しておきたいなら、まず80歳以上を問答無用で死刑だと思うんだが、
そうなっていない時点で現実離れした話でついていけないなあ。

412 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/08(木) 01:53:31
死刑みたいに公にしたくはないってことなんでしょうね。
でもえらく手間のかかる方法だね。

413 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/08(木) 02:33:00
80歳以上でも若いときに仕事とか頑張ってた人は可哀想だから、
犯罪者とか無職とか今まで納めた税金の額とかで決めれば国のためになるよ

414 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/03/08(木) 03:45:00
それだと肉体労働者のほとんどが死刑じゃないかw

 

2000年のゲーム・キッズ(下) (星海社文庫)
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