分水嶺(森村誠一)
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167 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/05/10(木) 19:50:04
- 軽く読んだだけなので思い違いなどあるかも知れないが後味悪かったので。
「分水嶺」 森村誠一
化学系の会社の技術者であるAと医者のBは元同じ大学の登山サークル仲間。
二人とも同じサークル所属の女性Cに思いを寄せている。
Aの告白を受けたCはBに告白をするが、
はっきりしない理由で断られ、Aと結婚する。時代はベトナム戦争、Aは秘密裏に戦争で使用する毒ガス
(一時的に精神錯乱を起こさせ、後遺症を残さない)の研究を進めている。
Bは発狂してかつぎ込まれた患者(Aの会社の社員)を診察し、
Aのしていることに疑惑を抱くが、Aの妻となり一児を授かったCは
仕事優先のAを悲しく思いつつも口を割ろうとしない。やがてBは水商売の女性であるDと愛し合うようになり、
自分が被爆者でもう時間が無いことを告げるが、
それでも構わないというDと結ばれ、Dは妊娠する。
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168 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/05/10(木) 19:51:07
- Aの会社は毒ガスの実験体(妊娠初期の妊婦もしくは病人)を探しており、
元恋人のツテからそれを知ったDはBの原爆症の治療費のために志願する。
偶然にそれを知った既に死期の近づいていたBは、
Dとその子の生活費のために代わりに自分が実験体となって発狂して死んでいく。
その話を聞いたAは一人で倉庫に忍び込んで製造済みの毒ガスを全て処分。
自らもガスを吸って廃人になる。その翌日にベトナム戦争は終結、処分してくれて助かったと笑うAの会社の重役達。
自宅で療養していたAはCと息子を残してふらふらと山に出て滑落して死ぬ。
実験体の代償である金をもらえなかったらしいDは、
愛する人を失った絶望から腹の子供ごとガス自殺。ほとんど省いたけど心理描写が秀逸で、引き込まれていたところでこのオチは辛かった・・・
AとBが死ぬのは仕方ないと思ったが、Bが自分の命を縮めてまで気遣ったDが
腹の子供ごとあっさり死ぬのが後味悪かった。