パットお嬢さん(L・M・モンゴメリ)

587 名前:パットお嬢さん 1/2 :2008/11/21(金) 09:22:47
「赤毛のアン」を発端にのびてるなあ。
同じ作者で「パットお嬢さん」って小説が個人的に後味悪い。

主人公パットは森に囲まれたお屋敷に住んでいて、森も込みでそのお屋敷を「銀の森」と呼んでいる。
パットは銀の森で父母、妹、召使いと一緒に幸せに暮らしているのだが、
「変化」を異常な程に恐れていて、いつも、「一緒に住んでいる妹が出てってしまうんじゃないか」とか
「幼い頃から一緒の召使いが死んでしまうんじゃないか」とかありとあらゆる現状変化を恐れている。
以前兄も一緒に住んでいたのだが、兄が家を出て行ってしまったときもとても嘆き悲しんで、
今でも嘆いている程。

また「銀の森」に執着するあまり、「銀の森」から出て行きたくないので、
モテモテなのに結婚もしないまま30になってしまう。
当時、30で結婚してない女なんて「負け犬ってレベルじゃねーぞ!」
幼なじみのシドという男性がパットに何度も求婚しているのに、それをすげなく断りつづけ、
シドはパットを忘れるためどこかへ移住してしまう。
また他の男性達からも求婚されるが、全て断ってしまう。
その断り方が後味悪い。パット本人も「結婚しなきゃ」という意識はあるので、
途中までちゃんと交際する。(むろんエッチ無しの清い交際)
なのに土壇場になって(やっぱり銀の森から出て行くの嫌!)と思ってきっぱり結婚を断る。
しかも理由を言わないでただ「あなたとは結婚できない。ごめんなさい。」の一点張り。
男から見たらもて遊ばれているとしか思えない。
理由を言われても、そんな理由じゃ男は嫌だろう。


588 名前:本当にあった怖い名無し :2008/11/21(金) 09:23:29
パットにはメイという知り合いがいるのだが、
この女は美人なのに性悪。パットはメイを軽蔑し嫌っていた。
ある日、家出していたパットの兄とメイが一緒に帰ってくる。
メイは誇らしげに「私たちは結婚したので、今日からここで暮らす!」と宣言。
ショックを受けるパット。兄は何故かうんざりした様子。おそらくメイが兄を
だまくらかしたり、そそのかしたりして強引に結婚したらしい。そのいきさつは書かれていない。

その次の日から大嫌いなメイの一族が我が物顔で「銀の森」に入り込んでくる。
メイとパットの兄は毎日食事中に口喧嘩をし、安らかな気持ちで食事することもできなくなる。

そんなある日、パットとその家族が教会で礼拝に出席してる間に銀の森が火事になった。
森が燃えているのが教会からも見えたので、パットと家族はあわてて戻るもお屋敷も森も全焼。

理由はメイが玄関に火のついたストーブを出しっぱなしにしていた事。

消沈しているパットのもとに、火事の事を聞いたシドが戻ってくる。
シドは改めてパットに求婚。銀の森がなくなってみて、執着心もなくなったパットはシドからの求婚を受け入れる。

一応「銀の森」に執着してた主人公がそこから出て新しい人生を始める、という成長物語で
ハッピーエンドなんだけど、家を燃やしたメイがおとがめ無しなのも、
兄とメイは不幸な結婚生活を続けていかなければならないであろうことも後味が悪い。

 

パットお嬢さん (新潮文庫)
パットお嬢さん
(新潮文庫)