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157 名前:2 :2010/10/15(金) 11:15:23
もいっちょ。がらりと変えて車谷長吉の短編。

『古墳の話』
古墳好きの主人公。ある時、内部探索中に同じく古墳好きの少女と出会い、親しくなる。
二人は暗がりの中、お互いの顔を懐中電灯で照らしながら、密やかに会話する。
考古学者になりたいと語る少女に対し、主人公は検事になって悪人をやっつけたいと答えた。

その後も古墳の中での逢瀬は続き、やがて外でデートをすることになる(ただし待ち合わせは古墳)
だが、約束の場に少女は現れなかった。どことも知れぬ男に強姦され、殺害されていたのだ。
後日犯人は捕まったが、懲役16年。主人公はなぜ死刑じゃないんだと泣き叫んだ。

そんな出来事があって、数十年ののち。
故郷の地を離れ、妻を娶った主人公も、既に老年の域に差し掛かろうとしていた。
徹底した死刑論者になっていた彼だが、少女のこと自体は忘れかけていた。
だがたまたま帰郷した際に、ふと古墳巡りを思いつく。
そして同時に、自分の中にある衝動が生まれていることに気付いた。
彼は素直にそれに従う。そうだ、彼女の家は仏教だったけれど、それでは駄目なんだ、と。
彼は友人と共に、彼女と待ち合わせをしていた古墳に上る。
そして、唖然とする友人を尻目に、厳かに彼女の霊を慰める祝詞を謳ったのだった。

この人の話は、大したひねりもなく面白みという意味では微妙なのだけれど、
だからこその逃げ場がない暗さに、読んでいてとてもダウナーな気分になれます。


162 名前:自治スレでローカルルール他を議論中 :2010/10/15(金) 15:11:32
>>157
>そして同時に、自分の中にある衝動が生まれていることに気付いた。

この衝動って、具体的にどういったものだったんですか?
彼女の家が仏教では駄目とか、彼女の霊を慰める祝詞を謳うって、
あまりに突然すぎて意味がわかりませんでしたわ。


163 名前:自治スレでローカルルール他を議論中 :2010/10/15(金) 15:39:14
>>162
具体的な説明は無かったんです。
祝詞も突然。仏教徒なら念仏で慰霊するところだけれど、
彼女は古墳好きなのだから祝詞で送るべきだ、と軽く触れた程度。
なんで数十年も経ってからなのかとかははっきり言って不明でした。
(しかもこの祝詞、文中に数十行に渡って羅列されてました。読めませんて)

実際の文章では起きたことがひたすらに淡々と書かれているので、
深く理由を知らずとも「そういうこともあるか」である程度流せるのですが、
自分のあらすじだと独りよがりにしか見えなくなってしまってますね。
うーん、出直してきます。


165 名前:自治スレでローカルルール他を議論中 :2010/10/15(金) 16:16:30
>>163
いえいえ、どの話もすごく簡潔にまとめられてて、物語の流れがわかりやすかったです。
ただ古墳の話だけラストがすごく唐突な感じがしたので、なんでかなーって思いましたw
原文もそういう感じなんですね。自分もなんとなく納得することにしますw
書き込み乙です!

 

忌中 (文春文庫)
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