ホーム » 小説 » 小説/か行 » 牙の時代(小松左京)

6561/2:2013/10/05(土) 16:17:30.50
小松左京「牙の時代」

主人公は、趣味の渓流釣りのため妻を連れて山奥の民宿に泊まった。
昨夜は雨だったから危ないと妻は渋ったが、やっと取れた休暇なのにと怒鳴り付けて宿を出た。

渓流では入れ食いだった。
大きなヤマメがどんどん釣れ、魚籠はいっぱいになった。
しかし、特別大きな一尾が牙をむき出しにして主人公に飛びかかって来た。
牙のあるヤマメなんて見た事ないので何となく気が削がれて宿に戻る事にしたが、
魚籠を開けてみるとヤマメは共食いしあって全部ボロボロのバラバラのズタズタ。

帰る途中で、村の厄介者だという巨人症の知障に絡まれたので妻を守って宿に逃げ帰ったが、
話がエスカレートして山狩りが始まって主人公ポカーン。
実は巨人症の知障はもう一人いて、そいつが数日前に老婆をレイプして山に逃げていたのだった。
山には偶然、生物学研究者の友人も来ていて山狩りに同行する事になった。

山の中でレイプ魔の方の知障が、白骨に近い死体で見つかった。
逃げて数日で白骨化するのはおかしいと友人が調べてみると、
知障は突然変異した大型スズメバチに襲われ、肉を食い破られたのが死因だとわかった。
主人公に因縁をつけた方の知障は、再開された山狩りで激昂した村人に惨殺された。


6572/2:2013/10/05(土) 16:18:35.60
梅雨でもないのに雨が続き、主人公は苛立っている。

ある日生物学者の友人を訪ねて研究所に行くと、
彼は主人公に、壁に飾ってある巨大な鮭の剥製を示した。
口には大きな牙がびっしりと、鮫のように何重にも生えている。
カナダやアラスカで、鮭が釣り人を襲う事件が相次いでいるそうだ。

先日の山狩りでは突然変異の超大型スズメバチが発見された。
穏やかなはずの村人が激昂して、知障の厄介者とはいえ同じ村人をリンチにかけて殺した。
理知的な君(主人公)まで苛立っている。
これは地球規模で攻撃性が高まっているのかもしれない。
古代にギガントピテクスが現れたように、新人類が誕生するのだろう。

友人の話を聞いていた主人公は、
そんな役に立たない戯言を聞きたいわけじゃない、俺たちはどうしたらいいんだ!
と怒鳴り散らした。
そして友人の言葉をさえぎり、スタンド式の灰皿で友人の頭を滅多打ちにした。

どこかで火事があったらしく、パトカーと救急車と消防車のサイレンがやかましい。
つけっぱなしのラジオから、きな臭い臨時ニュースが流れている。
研究所を出た主人公は、友人の血と髪の毛が着いたままの灰皿で、
毛を逆立てて吠えた野良猫を殴り殺した。終


660 本当にあった怖い名無し:2013/10/05(土) 18:00:20.01
>>657
金、銀、銅、英雄、鉄ときて牙まで落ちるわけか
こういう人類豹変モノはなんかあり得そうな気分になるから、昔から苦手だわww

669 本当にあった怖い名無し:2013/10/05(土) 23:04:34.75
>>656
小松左京はSFだよね
『日本沈没』だけ読んだけど、後味が悪いというより
文体そのものにある、あの時代独特の感覚的生臭さみたいなのが不気味だった

 

牙の時代 (角川文庫 緑 308-7)
牙の時代 (角川文庫)


後味悪い
(後味悪ければクリック)
読み込み中 ... 読み込み中 ...