グイン・サーガ(栗本薫)

195アムネリスの話(グイン・サーガ)1/7:2013/12/26(木) 16:31:25.90
異世界ファンタジー小説「グイン・サーガ」の登場人物アムネリスの話

グイン・サーガの世界設定

・主に「中原」とよばれる世界が舞台。
・「中原」は
 「パロ王国」
 「ゴーラ王国(モンゴール大公国、クム大公国、ユラニア大公国の3公国からなる)」
 「ケイロニア王国」
 で構成されている。
・「中原」以外にも、「ヴァラキア公国」を含む沿海州、
 不毛の地「ノスフェラス」などの地域がある。

物語登場時18歳のアムネリスはモンゴール大公国の公女であり、
その美貌から「氷の公女」「光の公女」と賞賛されていた。

アムネリスの父であるモンゴール大公は、一代で将軍から大公国を築き上げた梟雄であり、
物語開幕時に3000年の歴史を持つパロ王国を奇襲、滅亡させた。
この際、パロ王と王妃はモンゴールによって殺害されたものの、
年少の双子の王女リンダと王子は逃亡に成功。

アムネリスは公女将軍として二人を捕らえるため、
逃亡先と思われる不毛の地、ノスフェラスへ1万5千の兵とともに赴いた。
王女と王子、そしてなぜかともにいた豹頭の男グインの確保に成功するが、
王女リンダの毅然とした態度を見たアムネリスは劣等感からか辛く当たってしまう
(この世界でも公<王であり、国の歴史の重みもあるため)。

しかし何者が手引したためか三人はすぐに逃亡。
アムネリスは信頼する老将(爺やみたいなもん)を、
三人の逃亡先と思われる小さな猿の居住地に派遣するも
モンゴールの軍装をした若者の裏切りのため、老将と配下2000人は猿に焼き殺されてしまう。
その後もなぜか軍の情報が相手に筒抜けになっており、配下の武将を次々とアムネリスは失う。

豹頭の男グインに「女は女らしく、舞踏会で着飾っておれ!」とまで言われ、
「公女将軍」の誇りを潰されたアムネリスは
結局双子を捕らえることもできぬまま、父である大公のもとに帰還する。


196アムネリスの話(グイン・サーガ)2/7:2013/12/26(木) 16:34:47.10
そこで父にパロの王位第三継承者である貴公子アルド・ナリスとの
政略結婚を命じられたアムネリスは、はじめは渋るも、
物語一の美貌を誇るアルド・ナリスの手練手管により、すぐに恋の虜になってしまう。

しかし結婚式の当日パロの首都において、
アムネリスに恋慕していたモンゴールの貴族によりアルド・ナリスは暗殺。
悲嘆にくれたアムネリスだったが、実はこれはアルド・ナリスが
自身の偽りの死により混乱を生じさせ、そのすきにパロの首都を奪還する作戦であった。

モンゴール将軍の一人が
アルド・ナリスの愛人のハニー・トラップにかかりモンゴールへ反逆。
また、アムネリスの病弱の弟はアルド・ナリスの刺客により暗殺され、
周辺諸国までもモンゴールに宣戦。

戦に敗れたモンゴール大公である父も病死し、
パロ復興、モンゴール滅亡と物語当初と逆転する結果に。
アムネリスは友好国であったはずのクム大公国の捕虜となり、
クム大公の妾として塔に幽閉されてしまう。


197 アムネリスの話(グイン・サーガ)3/7:2013/12/26(木) 16:36:30.28
アルド・ナリスとリンダとの結婚(弟がパロ王に即位したため王姉)、
グインのケイロニア王国将軍昇格など、
敵対相手の幸せな報告によけいに復讐心をつのらせつつ、
信頼する侍女のみを心の支えとして幽閉生活を送るアムネリスであったが、
ヴァラキアのイシュトヴァーンというイケメンの盗賊の首領によって塔から救出される。

イシュトヴァーンの盗賊団と、モンゴール残党による新生モンゴール軍団は、
イシュトヴァーンに仕えるブサイクな軍師により
モンゴール公国復興に成功し、アムネリスはモンゴール大公の座につく。

直後、イシュトヴァーンの出世の障害になる盗賊団はブサイクな軍師の独断で惨殺。
しかし怒ったイシュトヴァーンにより軍師は殺害。
代わりに沿海州のヴァラキア公国の海軍提督がイシュトヴァーンのために、
提督の地位を投げ打って配下とともにモンゴールに来着。

イシュトヴァーンは、自身を放浪しているヴァラキア貴族の息子とふいていたため、
ヴァラキア提督はイシュトヴァーンの父と噂になり
モンゴール人のイシュトヴァーン評価が、「盗賊の首領」から「ヴァラキア提督の息子」と変化。

恋愛に長けたイシュトヴァーンの虜になっていたアムネリスは、
地位による障害のなくなったイシュトヴァーンと結婚する。
このころ侍女はアムネリスに一言も告げず去っていたが、イシュトヴァーンによれば、
アムネリスの幸福を見届けたため安心して侍女自身の宗教の巡礼の旅に出た、とのことだった。
アムネリスは納得する。


198 アムネリスの話(グイン・サーガ)4/7:2013/12/26(木) 16:38:11.34
この前後、モンゴールと同じくゴーラ王国の一部である、
クム大公国の三人の王子(ブサイク)と、ユラニア大公国の三人の王女(ブス)が
同時結婚することになり、イシュトヴァーンとブサイクな軍師が出席。

しかし結婚式の宴会でクムの長男とユラニアの長女によるクーデタ勃発。
結果、クムとユラニアの公族で生き残ったのはクム長男とユラニア長女、
そしてイシュトヴァーンが保護したクム三男のみ。

クム長男・ユラニア長女連合軍に戦勝したイシュトヴァーンは、
保護したクム三男をクム大公の座につけ、クムを属国化。

また、ユラニア長女が死に、ユラニア大公の継承者がいなくなったため、
ユラニアをイシュトヴァーン自身のものとし、
実質的にゴーラ王国の三公国(モンゴール、クム、ユラニア)を
支配することになったイシュトヴァーンは、
大観衆の面前で、跡継ぎを残さず死んだゴーラ王国の先代の王の幽霊に
戴冠され(ある魔導士の演出)、自身のゴーラ王即位を宣言。

それまではイシュトヴァーンが「モンゴール大公の夫」であったが、
この時点でアムネリスが「ゴーラ王の妃」と立場が逆転。

イシュトヴァーンの子供を妊娠していたアムネリスは、夫のゴーラ王即位を承認するものの、
アムネリスが信頼をよせていたモンゴール宰相は、憂慮し策略を巡らす。
こうしてイシュトヴァーンにある告発がなされる。


199 アムネリスの話(グイン・サーガ)5/7:2013/12/26(木) 16:41:53.99
その告発とは、かつてノスフェラスにおいて
アムネリスが信頼していた老将とその配下2000人を焼死させた、
モンゴールの軍装の若者とは、実はイシュトヴァーン自身であり、
その後もモンゴール軍の情報を流し続け、
アムネリスのノスフェラス遠征軍を壊滅させるという裏切り行為をした、
というものであった。

モンゴールの首都の宮殿において、イシュトヴァーンを被告として裁判開始。
元ヴァラキア提督は、自身を噂通りイシュトヴァーンの父と明かした上で、
イシュトヴァーンを堂々と弁護したが、
かつてのイシュトヴァーンのブサイクな軍師の霊がモンゴール宰相に憑依。

「元ヴァラキア提督はイシュトヴァーンの父でもなんでもなく、
 単に同性愛から愛人のイシュトヴァーンを追いかけてモンゴールに来た」
「イシュトヴァーンは実は、ノスフェラスではパロ王女リンダと恋仲であった」
「しかもイシュトヴァーンは、アムネリスを裏切ったアルド・ナリスの同性愛の相手であった」
「アムネリスと結婚したのは、美貌に惚れたわけではなく
 モンゴール大公の夫という肩書が必要だっただけ、つまりもう用済み」
「アムネリスの侍女が失踪したのは、イシュトヴァーンが侍女を妊娠させてしまい、
 侍女は罪の意識から湖に投身自殺した」

次々とイシュトヴァーンの本性や過去の罪状を暴露してしまい、
自責の念からイシュトヴァーンは思わず絶叫。
告発が真実だと明かしてしまう。

キレた元ヴァラキア提督は、霊が憑依しているのも忘れてモンゴール宰相を惨殺。


200 アムネリスの話(グイン・サーガ)6/7:2013/12/26(木) 16:43:39.00
明らかな反逆行為であるが、アムネリスは放心状態で何もできない。
なにしろモンゴール復興のために尽力してくれ、
お互いに愛していたはずの夫イシュトヴァーンが、
自分の敵対者であるパロ王女や、自分を裏切ったアルド・ナリスと恋仲であったばかりか、
自分が最も信頼していた、老将と侍女を殺したことが明らかになったのだから。

一方混乱に紛れて逃亡したイシュトヴァーンは、
裁判が不利になる可能性を予想しており、事前に配下の兵を伏せておいていた。
イシュトヴァーンと合流した伏兵は、
反逆の事態が飲み込めてないモンゴール軍を次々と吸収しつつ宮殿を制圧。
アムネリスが正気に戻った時にはすでにモンゴール首都はイシュトヴァーン軍により陥落。
モンゴール大公国は再び滅亡してしまったのだ。

降伏したアムネリスは、離婚するなり殺してくれるなりしてくれ、
とイシュトヴァーンに懇願するが、イシュトヴァーンは拒否。
アムネリスは宮殿に幽閉され、何度も腹の子を堕ろそうとするも実行できぬまま、
イシュトヴァーンの息子を出産。

出産直後、生まれた我が子に「悪魔の子」を意味する「ドリアン」と名付け、自殺してしまう。


201 アムネリスの話(グイン・サーガ)7/7:2013/12/26(木) 16:45:21.72
と幸福から一気に突き落とされるというアムネリスの人生であったが、
本当に後味悪いのは、このアムネリスが死んだ86巻の巻末作者コメントは
「今回もグイン・サーガをお届け出来ました!」と、
アムネリスの死にふれぬまま、通常と変わらぬ明るいコメントなのに

アムネリスを自国のためとはいえ裏切った、貴公子アルド・ナリスの死が書かれている、
すぐ次の87巻の巻末作者コメントでは
「まさか彼が死んでしまうなんて、こんなことになるとは、夢にも信じていなかった。
 いまでも、彼がいないなんて信じられません。
 やすらかに、アルド・ナリス。あなたはもう還ってこないのですね。
 あなたは私にとって、他の百人のうち九十八人の私が産んだ人々とさえ
 比べ物にならないほど大きな存在でした。(抜粋)」
というようにキャラ愛の格差がありすぎて、
死んだ後までアムネリスが報われないことだったりする。


207 本当にあった怖い名無し:2013/12/26(木) 23:20:09.71
グィンサーガは内容よりも作者のが後味悪いので有名だと思ってたw
ちなみにアニメは良くできてましたよ
一部の回、あまりのシュールさに噴いたけど

208 本当にあった怖い名無し:2013/12/26(木) 23:35:53.71
アニメのイシュトヴァーンは「やれやれだぜ」連発してたけど
あらすじ読む限り、近頃流行りの「巻き込まれ型ヤレヤレ系無気力主人公」にみえないな

209 本当にあった怖い名無し:2013/12/27(金) 08:02:48.24
グインサーガは25巻まで読んだが、作者が気持ち悪くなってやめてしまった。
キャラ贔屓が凄く美男美女は基本持ち上げ、そうでない者の扱いが酷い。
また、美男美女で有っても気に入らないとゴミのように扱う。

210 本当にあった怖い名無し:2013/12/27(金) 09:12:58.42
登場人物の生死は作者が決めることなんだから
「まさか彼が死んでしまうなんて」って言われても
死ぬ方向にストーリー進めたのお前だろ、
としか言いようがない気がする。

213 本当にあった怖い名無し:2013/12/27(金) 11:00:12.52
>>209
別に美男美女っつったって文字だけなんだから
要はいい役割のキャラを美男美女って設定にして
適当な扱いでいいキャラを適当な見た目にしてただけだろう

>>210
あそこまで長くなるとそれこそキャラクターが勝手に動いてて
作者がどうにかできることが少なくなっていたのかもしれないな


214 本当にあった怖い名無し:2013/12/27(金) 12:06:24.00
なげーわと思ったが
原作からして100巻以上の大長編なんだよな
そりゃまとめきれねーわ

215 本当にあった怖い名無し:2013/12/27(金) 12:29:25.63
>>213
度が過ぎるんよ。
イシュトヴァーンもアルドナリスと、
エロゲーですらあまり登場しない程の超鬼畜キャラで胸くそ悪いのに、
作中でこれでもかと美化、賛美の嵐。

10巻くらいまでは、まぁまともだが、途中でこの作者おかしいと読むの辞めた。
100巻以上続く日本ファンタジーの金字塔だとは思うが、
一時期のブーム過ぎたら一般の話題にあんまり上がらないのは、
この気持ち悪い内容のせいだと思っている。

 

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