ボッコちゃん

630 名前:ボッコちゃん 投稿日:2005/10/23(日) 00:13:16
『ボッコちゃん』(星新一)

彼女の名前はボッコチャン。主人公(バーのオーナー)が作った接客人形。
客の言ったことに鸚鵡返ししかできないが、客の人気は上々だった。
みんなボッコちゃんが人形だとは知らない。彼女が飲んだ客のおごりのお酒は背中の
パイプから取り出して再利用しているなんてことも知らない。
ある日ボッコチャンと良思いと勘違いしている一人の客が「妻とは別れるから」と
ボッコちゃんにプロポーズ。
「ボッコチャン、僕と結婚してくれ。」
「ボッコちゃんはあなたと結婚するわ。」
鸚鵡返ししか出来ないボッコちゃんの言葉を鵜呑みにした男は、
そのままボッコチャンとかけおちしようとするがオーナーが止める。
オーナーもまた自分が作ったボッコちゃんを愛してしまっていた。
男を何とか帰したあと、
オーナー『君は僕のものだ、どこにもいくな」
ボッコチャン『私はあなたのものよ、どこにもいかない」
約束をかわすボッコちゃんとオーナー。
一方男はボッコちゃんと愛し合っていると信じて疑わない。
そんな夫をさげすんだ目で見る奥さん。
「脇女の子にいい年下おじさんが遊ばれてるのよ、わからないの?」
その言葉に逆上し、男は思わず奥さんを殺してしまう。


631 名前:ボッコちゃん(2) 投稿日:2005/10/23(日) 00:13:58
次の日ボッコちゃんのもとへ行く男。
「ボッコちゃん、僕とは遊びだったのかい。」
「あなたとは遊びだったわ。」
「僕のことを愛していないのかい」
「あなたのことを愛してないわ。」
ボッコチャンの言葉に怒り狂ったおとこは彼女に毒の酒を飲ませて
その場を立ち去る。
ボッコチャンはロボットなので毒など効かない。
それを知らないオーナーは客に例の再利用酒を出してしまう。
酒を客からおごられたオーナーもまたその毒杯をあおってしまい…

屍が転がる店内にラジオ放送が流れる。
「今夜の放送を終了します、おやすみなさい。」
「おやすみなさい。」
ただ一人たたずむボッコちゃん・・・

全員が殺意のないロボットに殺されてしまうという後味悪さ。
でも『頭の悪い女の子がお好き」な男たちの身勝手な
願望が生み出した無垢な女の子、ボッコちゃんが、そういう身勝手な
男たちをくまなく不幸にしてしまう経過はむしろ気持ちがいいくらい。
改めて☆新一は構成、皮肉がうまいなあと思った。


632 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/10/23(日) 00:22:37
これ、大昔に読んだ頃は
バービー人形みたいなロボット想像してたんだが
今あらためて読むと、萌え系アニメのロボット少女しか浮かばない自分が
後味ワルスw