ホーム » 小説 » 小説/か行 » 昨日公園(朱川湊人)

905 名前:1/2 投稿日:2005/12/09(金) 19:43:18
後味悪いってよりやるせない話かも知れんが。
朱川湊人の短編「昨日公園」

主人公が小学生の時の事。
ある日、親友とも言える友人が交通事故で亡くなった。
訃報の翌日、悲しみに暮れながら、友人とよく遊んだ公園を訪れる。
「24時間前はここで生きていたのに」と友人を思い出す主人公。
すると、死んだはずの友人が現れる。
友人が死ぬことになる日の夕方、まだ友人が生きていて一緒に遊んでいた頃に
時間が戻っていた。

この機会を逃しては、と
主人公は友人の事故を阻止するが、
安心も束の間、友人はその日のうちに別の事故で亡くなってしまう。
「どうかもう一度戻ってくれ、今度こそ助けてみせる」と祈りながら
前回と同じ行動をとると、果たしてまた前日に時間が戻る。
しかし友人はやはり死んでしまう。

その後何度も時間を遡って友人を助けようと試みても
どうしても死んでしまうばかりか、その日を繰り返すたびに
死に方がより悲惨に、他人をも巻き込んだ惨事が起きるようになる。


906 名前:2/2 投稿日:2005/12/09(金) 19:45:39
もう何回目かのタイムスリップの時
友人に「一番守りたいのは誰だ」と尋ねると
「弟と妹だ」と答える。
前回のタイムスリップ時には
ガス爆発で、友人の他にも友人の弟妹と母親が亡くなっていた。

お前のこと親友だと思ってる、ずっと友達でいてくれ、と主人公が伝えると
自分も同じ気持ちだと言ってくれた友人。
主人公はその日、初めて友人を亡くした日と同じように過ごし、
初めてのときと同じ訃報を受け取り、翌日同じように公園に行ったが
それを限りに時間を遡る事はやめた。

大人になった主人公がその公園でつらい回想をしていると
一緒に来ていた小学生の息子が近づいて来る。
息子はなんだか疲れきっていて、涙ぐんでいる。
いつも注意するタバコも好きなだけ吸えと言う。
しばらくして主人公は息子がどこから来たかを悟り衝撃を受ける。
この公園では今も同じような事が起こっているらしい。
「お前がパパのためにどれだけ一生懸命になってくれたか
パパにだけはわかるよ」と精一杯伝えると、息子は声を放って泣き出した。

全体の読み口としては爽やかなんだが
助けようとして、結果的に何度も何度も友人の死を経験する主人公が痛々しい。


907 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/12/09(金) 20:04:15
死は受け入れるしかないんだよね。

たとえ原因がどれほど理不尽だとしても…。


912 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/12/09(金) 20:39:34
>>905
いい話じゃない?泣ける。
後味爽やかってわけじゃないけど、
運命のアキラメ方をテキストにしてくれてるみたい。
気持ちを確かめ合えた、というのが救いだね。それしか無いよね。

 

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