ちょっと待ってて(青山剛昌)

48 名前:1/3 投稿日:2006/06/15(木) 18:23:43
名探偵コナンの作者、青山剛昌の短編「ちょっと待ってて」。
かなりうろ覚えだから、知っている人いたら訂正よろしく。

主人公(男)は高校1年生で、すごい天才少年。
高校3年生の先輩と付き合っているが、その2歳差が悩みの種。
男の自分より彼女のほうが年上なんて格好悪い…といつも気にしている。
(彼女である先輩は、年の差は全く気にしていない)

ある日、主人公は年の差を解消するいい手段を思いついた。
タイムマシンを作って、自分が2年前の世界へ行けばいい。
当時高1の先輩と、現在高1の自分。年の差もなくお似合いではないか。
天才の主人公は、本当にタイムマシンを発明してしまう。

学校の屋上で、先輩に計画を話す主人公。
完成したタイムマシンも見せびらかす。
しかし、主人公が制作の苦労話を語っているうちに、
先輩はタイムマシンを起動させてしまう。
年の差を必要以上に気にする主人公を、先輩は先輩なりに心配していた。
「あなた(主人公)にそんな危険なことさせられない。私が2年後の世界に行く。
 ちょっと待ってて」
そういって、先輩はタイムスリップしてしまった。


49 名前:2/3 投稿日:2006/06/15(木) 18:25:26
慌てる主人公。先輩は影も形もない。
もうひとつタイムマシンを作って連れ戻しにもいけない。
(確かタイムマシンを使える日とか時間とかいうのが決まっていた)
できるのは、2年後に現れるはずの先輩を無事に見つけることだけだ。

先輩が2年後の何月何日何時にどこに現れるか、を計算。
そして、主人公は部屋のポスターや教科書、ノートなど目に付くところに
「○○先輩を忘れるな!」とひたすら書く。
先輩はもうこの世界には存在しないことになっており、みんなの記憶からも消えている。
自分までもが忘れてしまったら、二度と先輩を見つけられないのだから。

最初のうちはそうやって、必死に先輩の記憶を繋ぎとめていた主人公だが
やはり徐々に忘れていく。
「なんでこんな紙を壁に貼っているんだっけ?ていうか○○先輩って誰だ?」と
壁に貼った紙を丸めて捨ててしまう。
そうして主人公はすっかり先輩のことを忘れてしまった。


50 名前:3/3 投稿日:2006/06/15(木) 18:27:14
2年後。主人公は高校3年生になっていた。
主人公に思いを寄せる女の子とよろしくやっている日々。
授業中、ノートの端に計算式が書かれているのに気づいた。
2年前に手当たり次第に書いた、先輩が現れる日の計算式。
その計算式から、2年前に先輩がタイムスリップしてしまったこと、
そして現れる日が今日のこの時間だということを次々と思い出す主人公。

慌ててその場所に行き、空中に現れた先輩を抱きとめる主人公。
こうして、主人公が気にしていた2人の年の差はなくなりました。

…と、一応ハッピーエンドなんだけど、よく考えると後味悪い。
タイムマシンができちゃった!→じゃあせっかくだから年の差解消しよう!
ならともかく。
たった2歳の年の差を気にしてタイムマシンまで作るなら、
最初から付き合わなければいいのに。ていうか最初から同い年と付き合っとけよ。
先輩は主人公のせいで、危うく死ぬところでしたが。
最後に結局主人公の思い通り(年の差がなくなる)になってるのも…
年の差カップルを全否定かよ!と当時中学生の自分でももやもやした。


51 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/06/15(木) 18:34:39
よろしくやっていた相手の子も当て馬みたいでかわいそうだしな…
不幸でもむなくそ悪いでもなく、まさしく後味悪いな
ハッピーエンドに見える話にも後味悪さは潜んでるなあ

 

新装版 青山剛昌短編集 (少年サンデーコミックス)
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