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706 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/12/06(木) 01:19:35
雫井修介(字違うかも)の『火の粉』は、
殺人罪に問われた男が逆転冤罪判決を受けるところから始まる。

ある夫婦が殺され、隣家に住む夫婦の友人でもある男が逮捕された。
三人で被害者の家にいるときに強盗が入ったということで、逮捕された男も重傷を負っていた。
判事はもうすぐ退官という事情もあり、男の負った傷が
自分自身でつけることは不可能ということから、無罪判決を下した。
退官後、ふとしたきっかけで元判事はその男と再会する。元判事に大変感謝をしている男。
それからしばらくして、元判事が老母と妻と息子夫婦と暮らす家の隣に新しい住人が引っ越してきた。
それは、その冤罪を晴らした男その人だった。

ここから、物語の視点は息子の嫁に移る。
姑や夫は隣人をよく思っているが、嫁はなんとなく隣人の妙な人懐こさに違和感を抱いていた。
彼女の不信感を敏感に感じ取った男は、巧妙に彼女を家族から遠ざけていく。
幼い娘を置いて家を出るところまで追い詰められる嫁。
しかし冤罪事件の被害者の親族の協力と、そして舅である元判事も重い腰を上げ、隣人のことを調べていく。
隣人男が、自分に優しい相手に対して無防備に接近していく習性があること、
そして相手があまりの馴れ馴れしさと独占欲に距離を置こうとすると、
「裏切られた」と激昂するということを知る二人。
かつての事件で無罪を勝ち取った「自傷できない男の怪我」のトリックもとける。
すっかり隣人男に丸め込まれていた姑と夫だが、いよいよ男の粘着質な態度に不信感を抱き始める。
男はそれを敏感に感じ取り、姑と夫を躊躇なく殺そうとする。
すんでのところで駆けつけた嫁と元判事。元判事はその手で隣人男を殺してしまう。

ラストは、有罪判決を受ける元判事。
しかし、何事も無難に控えめにこなし面倒なことを遠ざけようとしてきて、この事態を招いてしまった。
傍聴席には、家族たちがいた。自らで行動を起こすことによって、辛うじて家族は守れたのだった。おわり。


707 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/12/06(木) 01:53:36
>>706
2時間ドラマ版を見たよ・・・
元判事はキンキンで、隣人男は殺されずタイーホ。パトカーで連行されるのを
見送りながら家族って素晴らしい!という絵でテーマ曲が流れ、終了。
原作者の人怒っていいと思った。

708 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/12/06(木) 02:26:51
そうそう、ドラマ版ひでーのw
私もこのドラマ作った奴は原作本を視聴者にプレゼントして責任とってください、と思った。

709 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/12/06(木) 02:40:15
>>706-708
後味悪さ増量の見事なコンボw

710 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/12/06(木) 07:08:17
逆にドラマの後原作読んだ後味の悪さったら

714 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/12/06(木) 15:37:21
でも男が姑と夫を殺そうとしてるのを家族全員が知ってるんだろ?
なのに正当防衛も認められないの? 

716 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/12/06(木) 16:52:36
>>706 
その本読んだ。
面白かったけど、元判事の息子(嫁の夫)が役立たずすぎて腹が立った。
元判事は嫁の言うことを受け入れて、色々調べるし、
元判事の奥さんは徐々に違和感を感じつつも隣人と嫁の狭間で揺れたりする。

だけど、息子だけは無邪気に「隣人を疑う、嫁・父ヒドイ」という態度で、
隣人の罠に笑っちゃうくらいに嵌まって、嫁を否定する。
最後の方では娘ですら「あの人(隣人)おかしい」って感じなのに
「気のせい」みたいな感じで一蹴。

ラストシーンでは嫁と一緒に元判事を見守っているが、
「奴はきちんと嫁に謝ったんだろうか」ということが気にかかっている。


717 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/12/06(木) 17:03:41
>>716
今の時代は知らんが、昔は男性の仕事場(戦場)⇔家庭(憩いの場)という認識と、
家にいる時間の絶対的な少なさから、迫っている家庭の危機に気づかない、っていう構図が多かったよね。
主婦向けのドラマ化が前提だったから、やっぱ主婦大活躍だし。
まあその辺は様式美というか紋切り型というか普遍的な構図なんであまり気にしちゃだめ。
腐向け漫画の登場キャラが全員美形なのを黙認するくらいの気持ちで、スルーしてよいと思う。

720 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/12/06(木) 20:32:22
>>716
同じこと思った。
しかもこの息子たしか司法試験浪人生で無職なんだよ。
最後の最後で娘に危害が及ぼうとした時にやっと気付く。
内容云々よりこいつの無能っぷりにイライラしてしょうがなかったw

721 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/12/06(木) 21:06:58
>720
司法試験に落ち続けるのが分かるな。
そんな鈍感で無能なんじゃ。

723 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2007/12/06(木) 22:57:48
>>714
ものすごいディティール省いて書いちゃったんだけど、
元判事が駆けつけたとき、息子は男にもうぼっこぼこに殴られてた。
男も息子の抵抗でじゃっかん怪我してたんだけど、
そのときすでに息子のほうが意識ないくらいだったのに「違うんです私も被害者なんです!」って言い張る。
自分のやったことそっちのけで天然で被害者ぶるような人間なの。
それを見て元判事は殺そうとまでは思わず後方に来ていた警察官を呼ぼうと思ってほんの一瞬目を離したら、
その隙にまた昏倒してる息子をぼこぼこ殴ってんの。さっきまで泣きながら謝ってたのに。
そんなことしながら元判事に「私が悪いんじゃないんです、わかってください」ってまだ言うわけ。

で、その後判事は「死ね死ね」と叫びながら男の息の根が止まるまで灰皿かなんかで殴打した。
ちょうどその瞬間に部屋に入ってきた警察官の目には、
まるであたかも「無抵抗の意思を示した隣人を構わず殴り殺した」ようにも見えた。
で、「正当防衛を逸脱する」ということになってしまった。
でもまあ元判事の受けた実刑判決は1年ちょっと。
それ以前に隣人がやった息子への暴行行為もあったからね。

 

火の粉 (幻冬舎文庫)
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