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803 名前:本当にあった怖い名無し :2008/11/27(木) 16:34:03
レイ・ブラッドベリ「監視者」
※虫嫌いの方、注意です。

虫を憎悪し、目に映る全ての虫を殺さないと気が済まないティンズリー。
自ら手を下すだけでなく、会社を興して殺虫用品を売りさばくことで国中の虫を殺戮している。
友人のスティーブは彼の虫殺しに対する執着ぶりを心配し、その理由を探る。

その原因は、ティンズリーが子供の頃に起こった事件にあった。
父親と狩猟に出かけたとき、突如飛び出して来た鳥に驚いた父親は猟銃を暴発させ、
顔面を撃って死んでしまった。
幼い彼は1人で山を降り、助けを呼んで来た。
現場に戻った彼が見たのは、父親の遺体をびっしりと覆ってうごめく無数の虫だった。

それ以来、彼は「虫は父の死を冒涜した悪魔の使い」と信じるようになり、
悪をはびこらせないよう虫を殺し尽くそうとしていたのだ。
スティーブは、精神科医の助けを借りて、彼を「治療」しようとする。

そんなある日。
ティンズリーの部屋を訪れたスティーブは、半狂乱になって飛び出して来た彼と鉢合わせする。
彼は手で顔を覆って叫ぶ。
「僕を見るな!近づくな!僕は確かに間違ってた!でも・・・近いとこまで行ってたんだ!」
そのまま車に乗って走り去るティンズリー。
スティーブも後を追う。


804 名前:本当にあった怖い名無し :2008/11/27(木) 16:35:37
町外れでティンズリーの車は止まっていた。
クラクションが鳴り続けている。
ハンドルに頭を突っ伏して、ティンズリーは絶命していた。
全身が病に冒され、醜い斑点に覆われ、溶け崩れている。

スティーブはやっと気づく。彼の言うとおりだと。
ティンズリーは間違ってた。でも、近いとこまで行っていたのだと。

ティンズリーの父親は狂った鳥によって命を絶たれた。では・・・そもそも、その鳥を狂わせたのは?
無数の虫は、ひょっとしたら父親の遺体を慰め、守護してたのかも知れない。
彼らにしかわからない言葉を交わしながら。
そう・・・神は、広大なこの世界を隅々まで見守るために、虫を作ったのだ。
でも悪魔はもっと狡猾だった。
神を出し抜くためにもっと小さな「使い」を作った。・・・ウィルスを。
それが鳥を狂わせ、ティンズリーの父親を殺させ、彼に虫に対する憎悪を植え付け・・・
結果として多くの「神の使い」を殺させることに成功した。
のみならず、真相に気づいたティンズリーを瞬時に殺したのだ。

それに気づいたスティーブもまた同様の運命をたどる。
延々と続く神と悪魔のチェスゲーム。彼らはそれに負け、滅びてゆく。
この件に関する手記をタイプライタで残しながら、彼の身体は腐り崩れてゆく。

・・・
残すなよ!手記!読んだ奴がまた死ぬじゃんか! 


807 名前:本当にあった怖い名無し :2008/11/27(木) 18:07:16
>>804乙

虫が神様(守護者だったり支配者だったり)っていうの海外SFでよく見るけど
キリスト教徒的になんかそういうのあるんだろうか


808 名前:本当にあった怖い名無し :2008/11/27(木) 18:18:46
どっちかってーとエジプトのスカラベに影響うけたんじゃ?

809 名前:本当にあった怖い名無し :2008/11/27(木) 19:20:19
>>807
キリスト教だとグリゴリ(見張る者)ってのが居るから、それと合わさってるかも
堕天使なので虫、とか

 

監視者 (恐怖と怪奇名作集)
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