ホーム » 小説 » 小説/あ行 » イゼルギリ婆さん/燃えるダンコの心臓(マクシム・ゴーリキー)

466 名前:本当にあった怖い名無し :2009/08/28(金) 22:38:44
ずっと昔に高学年子供向けの全集で読んだ話。

とある部族がいて、住んでいた土地が災害とか他部族の攻撃とかで
だんだん住みにくくなってしまってきていた。
そこで一人の若者が立ち上がり、新しい土地へ移住しよう、と周囲に説得を始める。
彼に説得され、やがて部族は若者を先頭に新しい移住先を求めて辛い旅を始める。
挿絵があったのかもしれないけど、服のイメージは古代ギリシャ風で
男も巻き布のスカートにサンダルみたいな格好で覚えている。

初めは希望を持って旅に出た部族だけど、あまりにも新天地は見つからず
仲間も死んで減っていく。その過酷な旅に、だんだん言い出しっぺの若者に
非難が集まりだしていく。
ついに若者が囲まれて危険な状態になった時、彼はナイフで自分の胸を切り裂き
そこから心臓を取り出した。心臓は炎に包まれて赤々と燃えている。
それを見て、部族の人々は彼にひれ伏し、また旅を始める。
若者は燃える心臓を高々と掲げて先頭を歩き、人々はその炎をみつめて
その後を従うようについていく。

炎が小さくなってきた頃、部族はやっと探し求めていた新天地と呼べる土地に辿り着いた。
豊かな大地が広がる夢のような場所に、人々は疲れも忘れて我先に駆け出していく。
人々の笑い声とお祭りのような騒ぎを見ながら、若者はゆっくりと倒れていく。

そして、一人の男が倒れている若者と、その側にもう炎の消えかけている心臓を見つけ
無言でその心臓を靴で踏みにじって最後の炎を消した。
そして人々と共に新天地へ行ってしまった。
誰ももう若者のことは思い出さなかった。

30年近く前に読んだのに未だに後味悪く覚えている…orz


467 名前:本当にあった怖い名無し :2009/08/28(金) 22:44:16
>>466
なんか、心に残る話だねぇ

468 名前:本当にあった怖い名無し :2009/08/28(金) 22:58:00
>>467
子供向けの全集だったし、最後に倒れてる若者に気付いた人がいた時
きっと若者を部族の英雄として云々~とかそういう展開になると思ってたら
なんの感動もないままギュッギュっと踏み消して、あっさり行っちゃうんだよね。
しばらく鬱になったわwww

 

ゴーリキー短篇集 (岩波文庫)
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イゼルギリ婆さん・秋の一夜―他二篇 (1955年) (岩波文庫)
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(1955年) (岩波文庫)


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