怪しの晩餐(牧野修)
「怪しの晩餐(休題:記憶の食卓)」
・違法な名簿屋で働くなぜか炒飯が食べられない主人公「折原」は
ある日、一冊の名簿の14人の中に自分の名前を見つける
・その名簿のうち数人が死亡していることがわかり同僚の「美也」と名簿の人物を調べ始める
・調査とともに折原に ...
愛犬(ヘンリー・スレッサー)
若い夫が、あたしはどこも悪くないのに…と渋る妻を精神分析医のオフィスに連れてきた。
妻が病的に犬を怖がるから治してくれ、これでは以前から欲しかった猟犬が飼えない、というわけ。
医者が催眠療法で過去に退行させて色々聞き出してみると、
子供時代の妻は犬好きで ...
入江の記憶(松本清張)
「私」は義妹と不倫中。
不倫旅行で温泉地に出掛け、人目を避けるようにわざと寂れた旅館に泊まった。
義妹は「お姉さま(妻)に悪いワ…」としおらしくしているが、罪悪感が媚薬になっているようだ。
顔を隠すように帽子を目深に被った「私」は、宿帳の記入も女中との応対も義妹に任せている。 ...
お勢登場(江戸川乱歩)
格太郎は肺病やみで寝たり起きたりしている。
女房のお勢は病気の父親を見舞うと称して家を空け、不倫を楽しんでいる。
弟の格二郎は不甲斐ない兄を責め、不倫汚嫁なんか追い出してしまえと言うのだが、格太郎は
「でもねえ、俺は肺病でどうせ長生きできない。子供から母親を奪うのはどうもね ...
おれは非情勤(東野圭吾)
小説を執筆する時間を確保する為に、非常勤講師として働く主人公
あるゴールデンウィーク明けの小学校に、
夏休みに入るまでの期間の契約で講師を務めることになる
勤務初日、校長から
「担当をしていた先生がゴールデンウィーク中に亡くなった為、 ...
悪童日記(アゴタ・クリストフ)
WWⅡを思わせる戦争中、ハンガリーを思わせる国で、
首都から国境近くの祖母の農園に疎開した双子の男児が語り手。
祖母はドケチで文盲で働き者の不潔な寡婦で、農園を一人で切り盛りしている。
双子は祖母に母からの仕送りや衣類の小包を奪われこき使われるが、
なか ...
海の中へ(ロアルド・ダール)
イギリスからアメリカへ向かう客船で、
退屈した客のために航行距離当てオークションが行われていた。
これは、気象や海の荒れ具合を加味して
当日正午から翌日正午まで何マイル進むかを賭けるゲーム。
船長が予測した航程から上下に10マイルずつ加減し、
(この場 ...
阿呆は誰だ?(カトリーヌ・アルレー)
ジャンはだらしなく太って食っちゃ寝生活の妻ジュヌヴィエーヴに我慢がならなくなり、殺害計画を立てた。
夏休みで滞在している孫を海水浴に連れていくのが日課なので、
砂に埋まって汗を流すのは健康にいいんだよ、運動するより楽だよ。とそそのかした。
娘夫婦も、ママ ...
おもいで・ララバイ(皆川博子)
主人公夫妻は、新婚旅行で高原のペンションを訪れた。
「わざわざ外国なんかに行かなくても、日本人なんだから日本の良さを楽しまなくてはな!」
主人公は夫を愛してはいない。
それどころか、夫が死ぬ日を夢見て高額の保険を掛けている。
(海外旅行に ...
お母さまのロシアのスープ(荻原浩)
第二次大戦後の中国に住んでいる母親と双子の娘。
父親は日本の軍人で化学兵器などの実験をしていたのだが、
終戦したので日本へ帰ってしまったのだった。
母親は家具などを売って細々と生活を続けていたが、
売る家具もなくなった母親は村の老婆の奨 ...