あと五十日(星新一)
ある日主人公は陰気な得体の知れない男に「あと五十日ですよ」と声をかけられる。
一緒にいた同僚はそれを見れなかったらしい。
幻覚かと思う主人公は同じ人物に次の日「あと四十九日でございますよ」と言われる。
何がだ、と聞き返す主人公に男は「色々整理があるだろ ...
空き缶ユートピア(井上ひさし)
かつては新進気鋭の画家、縫製工場の腕利き工員、新劇一座の花形女優など
自身の仕事を誇りにしながら今は年を重ね落ちぶれ、
細々とホームに寄り添って暮らす老人達。
彼らは自分達の特技を生かし大金を金持ちから巻き上げる計画を立てていた。
(画家の ...
悪魔はあくまで悪魔である(都筑道夫)
安サラリーマンの太郎のアパートに、同じく安サラリーマンの次郎が訪ねて来た。
悪魔に貰ったという高級ブランド服を着ている。
映画館で悪魔に
「久しぶりに来日したから、しばらくの間は騙しなしでお客様本意の契約を大サービスする」
と ...
踊る一寸法師(江戸川乱歩)
物語の語り部はあるサーカス団の宴席にたまたま同席することになった男。
サーカス団には禄(ろく)さんと呼ばれる気の弱い小男の道化師がいた。
禄さんは気が弱く体も小さいことから、団員皆の格好のからかいの的。
この日は ...
異本『アメリカの悲劇』(ジョン・コリア)
軽薄で頭の悪い青年が悪巧みを抱えて、老叔父の家を訪ねた。
叔父はほぼ寝たきりだが頭はしっかりしていて、青年をからかう。
叔父は、美人で巨乳で色っぽい看護婦(ただし30歳)を住み込みで雇っている。
そしてセクハラに余念がない。
青 ...
踊り子(東野圭吾)
家庭教師の大学生が教え子の中学生から恋の相談を受ける
近所の女子高で新体操をしている少女に一目惚れをした
話ができるだけで良いと言う生徒に学生は応援されると喜ぶのではないかとアドバイスをした
生徒は彼女が練習する水曜日に体育館の玄関前に
ドリンクと「いつも練習をみ ...
従妹ベット(バルザック)
ある男爵が、女遊びに血道をあげたせいで身代を潰し妻子にも迷惑をかけまくったが、
80をすぎてやっと人間が丸くなった。
財産の方も、弁護士で代議士の一人息子が頑張ったお陰で立て直した。
また一家で仲良く一緒に暮らすことになったが… ...
ある女の復讐(ジュール・バルベー・ドールヴィイ)
スペインの名家の誇り高い令嬢が、誇り高い公爵夫人となる。
公爵の従弟と公爵夫人は、互いに激しい恋の虜になる。
公爵夫人はあまりにも自尊心が高いので、人妻でありながら夫以外の男を愛したことを認めようとせず、
夫に、従弟が自分に横恋慕しているらしいから城から ...
偉大なる、しゅららぼん(万城目学)
「偉大なる、しゅららぼん」という小説
【あらすじ】
琵琶湖の湖東地方・石走では、琵琶湖から超能力を授かったと称する湖の民
日出家と棗家がいがみあいながら共存していた(もちろん能力の事は一般人には秘密)
湖の民は故地の湖 ...
あなたに捧げるブルース(阿刀田高)
あなたは31才。どこにでもいるような平凡なサラリーマン。
ことの起こりは背広のポケットの底にあいた小さな穴。
人生はどこにどんな運命の岐路があるかわからない。
休日の11時過ぎにあなたはあたふたと布団から飛び出し、
仕事の打ち合わせに指定され ...