華やかな手(曽野綾子)
主人公の青年には右手の手首から先がなく
それがコンプレックスでいつも右手をポケットに突っ込んでる。
けれど実は生まれた時にはちゃんと右手があった。
ただ、指が6本ついていた。
両親はなんとかごく普通の5本指に治したいと医者に相談した ...
人質カノン(宮部みゆき)
主人公(OLの女性)は忘年会か何かの飲み会が終わり帰宅途中
家の近くのコンビニに寄って
「あ、よく見る中学生だ」
「牛乳取りたいけど、その棚の所にずっと立ってる酔っ払いのおじさんに絡まれそうだなあ」
とか思いながら商品をカゴに入れてると
レジにフルフェ ...
「非情の町」に雨が降る(赤川次郎)
「〈非情の町〉に雨がふる」
この短編集に出てくる名画座とは人生に躓いたり悩んでいる人たちの前に突然現れ、
その人にとって警告やヒントになるような過去の名画を上映して見せる。
裸一貫から事業を始め、今や大企業グループの社長に上り詰めた古河健三は今、重大な ...
百鬼夜行シリーズ/大鷹篤志(京極夏彦)
二作に跨いで出てくる警官(後者だと元警官)の話。
まず「オンモラキの疵」では初恋の人物が
以前に花嫁が初夜に殺害された過去がある
元華族の所に嫁ぐことになり、
それを複雑な気持ちで警備する事になったが
警備も空しく初恋 ...
飛行具(レイ・ブラッドベリ)
大昔の中国。
凧職人が凧を作りそれに乗って空高く舞い、皇帝にご覧に入れた。
人間が初めて鳥のように自由に空を飛ぶことができた喜びや
空からのすばらしい眺めを職人は語った。
けれども皇帝は、すぐさま職人を死刑にした。悲しみにくれて。
人がこんな道具を手 ...
春にして君を離れ(アガサ・クリスティ)
主人公はジョーンは48歳の主婦で、末娘(20代既婚)が病気になり
ロンドンからバグダッドに看病に行き、その帰り道に高校時代の友人に再会する。
折悪しく電車が止まり、砂漠の中でジョーンは自分の人生を回想する。
そのうち、学生時代を思い返したり旦那と ...
初恋
「初恋」
老人は、今日という日を心待ちにしていた。
若い頃、身に覚えのない罪で投獄され、その後も何故かなんだかんだで刑期が伸び、
とうとう老人になってしまった。
けれど、それも今日で終わる。やっと釈放されるの ...
ボトルネック(米澤穂信)
主人公は高校生の少年。
少年は2年前に転落死した恋人を弔うため東尋坊に来ていた。
その時母親から、数ヶ月前に事故にあい、意識不明だった兄が息を引き取ったとの連絡があった。
通夜に間に合うようにと、少年は早々に海に花を投げ込もうとする。
強風の中に恋人の声 ...
blue(乙一)
主人公は命のある人形「ブルー」。
ブルーはある人形作りが同じ命のある生地で作った、
王子、王女、騎士、白馬の四体の余りの生地で
作られた為、裏生地が剥き出しで青く不細工な人形。
この五体は不思議な物ばかりを扱う骨董屋で売られており、
娘の土産用に四体を購入 ...
魄線奇譚(甲田学人)
主人公たち姉妹には幼馴染の少年がいた
三人は小学生の頃、よく「白線の上は安全地帯」とルールを作って遊んでいたのだが
そこに大型トラックが突っ込んできて少年だけが轢かれてしまう
彼は即死で、遺体は頭と胴体が千切れて酷い有様だった ...