春雨物語/死首の咲顔(上田秋成)
主人公の家は元は由緒あった武家の系統を引く郷士で、今は商売で栄えていた。
主人公は書物を好み、また見かけによらず弓などにも秀でた好青年だったが、
父親は「教養など一銭の役にも立たん!」という実利一辺倒で欲深く狭量な人物だった。
村内の親戚筋 ...
ブレイブ・ストーリー(宮部みゆき)
主人公のワタル(小学生)は父親と母親の三人で暮らしている
ある日、酒屋の友人づてに父親に愛人がいるらしいという噂を耳にする
噂は本当で、父親はワタルと母親を捨てて愛人の元に走ってしまう
ワタル母子は絶望のどん底に突き落とされる
...
謀略法廷(ジョン・グリシャム)
大企業クレイン化学の化学薬品不法投棄による汚染で、とある田舎町で死者が続発する。
その町に住む若き弁護士夫婦は、夫と息子を亡くした女性を原告として会社を告発した。
資料や証拠集めのため多大な資金を必要としたものの他の仕事をする余裕もなく、
借金を重ねてぎ ...
人斬り以蔵(司馬遼太郎)
まず前提。
江戸時代の土佐では身分制度が厳格で、武士は上士・郷士・足軽と区別された。
足軽は武士階級でありながら苗字を名乗らせてもらえず、裸足を常としていた。
また、戦が起きれば足軽は槍・弓・鉄砲を持たせるのだから剣術は不要とされてい ...
反乱(村田基)
(細部は異なるかも知れません。うろ覚えなので)
虫嫌い、と言うか虫を叩き殺すのが趣味の男がいる。
ある夏、彼は山奥の別荘に避暑に行く。
出発前、車の中にゴキブリが紛れ込んだ気がしたが探しても見つからず、諦める。
別荘に到着し、車のドアを開け ...
復活の日(小松左京)
前提として))とある博士が作り出した強力なウイルスがある事故により世界全体に広まり、
南極以外(南極にはウイルスが届かなかったか何かそう言う設定)の地域の人間や動物はどんどん死に絶えていく。
主人公は南極の基地に派遣されていた日本人男 ...
二十日鼠と人間(ジョン・スタインベック)
スタインベックの『ハツカネズミと人間』
恐慌下のアメリカに、ジョージとレニーという二人組がおりました。
当時多くの人がそうしていたように、適当な農場で働き口を見つけて、
低い賃金をもらって糊口をしのいでいたのですが、なんせレニーは頭が弱い。
「おで、おで、デヘヘ」という ...
ひとりで宇宙(そら)に(清水義範)
宇宙飛行士のAはたった一人で、遠い遠い星域の観測のために宇宙に飛び立った。
大歓声と共に地球の人々は見送ってくれ、Aもまた地球に帰れることを信じて、
ひとりぼっちの宇宙で一生懸命仕事をしていた。
だが任期の明ける日になっても、その次の週も、いつまでたっても迎えの ...
瓶詰の地獄(夢野久作)
第一の瓶の内容:
とうとう救いの船がきてしまいました。私たちのお父様お母様の姿が見えます。
一番始めの瓶の手紙を読んできてくれたのでしょう。
しかし私たちはこれからあの崖の上にのぼり、海に身を投げます。
すみませんすみません私たちは犯した罪を罰せねばなりません。 ...
病院坂の首縊りの家(横溝正史)
横溝物らしく人間関係が込み入っていて、ストーリー自体は
後味の悪さにそれほど関係しないため(というか自分の記憶が曖昧だから)省略するけど、
数十年に及ぶ因縁の核となる人物として、病院経営者一族のドンである老婆が登場する。
この女性は若い頃から大変美 ...