幽タレ考(半村良)
全編がインタビューされる男の独白として書かれている。
男は広告代理店の現場の責任者で、『幽タレ』第一号を発掘した事で地位を築いたものの、今は仕事に倦んでいる。
『幽タレ』とは『幽霊タレント』を略した業界隠語である。
数年前、男が保険会社のCMに起用したエキストラ俳優井沢 ...
行きずりの殺意(森村誠一)
赤ん坊と若い母親だけが在宅しているところへ少年が押し込み強盗に入った。
母親は少年に思い直すよう必死に説得すると少年は徐々に身の上を語り始めた。
曰く、父の後妻が父のいない隙に色目を使ってきて勉強もままならない。
耐え切れず家出したが有り金が尽き食うに困ってこん ...
四つの終止符(西村京太郎)
下町で貧しい暮らしだった病身の母親が、聾者の息子が買ってくれた栄養剤で毒死する。
(息子は小さな作業場で働いていたが、聴覚障害で皆の話の輪に入れず職場で孤立していた。)
栄養剤には砒素が混入されており、状況証拠も揃っていて、当然のごとく息子が逮捕され ...
夜ごとの闇の奥底で(小池真理子)
主人公の妹がおもちゃだと思った拳銃で人を殺してしまう。
その犯行を隠すために、山奥に拳銃を捨てに主人公は車を走らせるが運悪く衝突事故。
そこに現れた娘に助けられ、娘と娘の父親が経営するペンションに連れていかれる。
娘は酷い ...
よもつひらさか(今邑彩)
老人は坂の前に立っていた。この坂を登れば駆け落ちして出て行った娘と会える。
数年ぶりの再会、初孫を拝むのだ。
暑さのせいか急に立ち眩みがした 。
「大丈夫ですか?これをどうぞ」
突然後ろから青年が水筒を差し出してきた。有り難く受け取り飲み干す。
「こ ...
山の家(村田基)
携帯なんで見づらかったら勘弁。
確か村田基だったと思う。
山小屋に親子(母親と息子)が住んでいる。
毎日母親は狩猟、息子は受験勉強をしている。
ある日突然山小屋に武装した若者が数人現れる。
若者達が母親は人殺しだと言いバトル開始 ...
痩せゆく男(スティーブン・キング)
やり手弁護士のハリックには優しい妻と中学生の娘がいて幸せな日々を送っている。
ある日、妻と2人で車で買い物に出かけた帰り、突然妻が車中でオーラルセックスをしようと
ハリックのチャックを下ろし始め、びっくりした彼は
運転を誤って前方を歩いていたジプシーの老婆を轢いてしま ...
夢の島クルーズ(鈴木光司)
やり手の営業マン「山田(仮名)」は、高校時代の部活の先輩「田中夫妻(仮名)」から、
休日にヨットの旅をしないかと誘われて、暇だったのでOKした。
小さなヨットで近海をクルッと走って戻るというチャチな旅だが、まあ相手は先輩だし。
ところ ...
遊歩道(筒井康隆)
確かタイトルは『遊歩道』だったと思う、2頁くらいの作品。
パパとママと坊やが、モザイク模様の遊歩道を歩いてる。
坊やは「白イタイルダケ踏マナイト、黒ヲ踏ムト、落チテシマウ」と、
見立て遊びで歩いているから、パパとママから遅れてしまう。
急 ...
夜の罪(タミー・ホウグ)
ストーリーは女性捜査官が極寒の地で起こった誘拐事件を捜査しに行く。
そこで過去のある地元警察署長と捜査に当たるが、
事態は複雑になり、その内捜査を進める段で署長と恋に落ちた。
容疑者として過去に少年に対する性暴行で有罪になった男を逮捕するが、