告訴せず(松本清張)
主人公は田舎町の冴えない中年男。女房の妹の亭主(以下、義弟)のおかげで、駅前で食堂をやらせてもらっている。
義弟は議員、今度の選挙は再選できるかどうかの瀬戸際。
主人公、「東京の大先生」の所から「実弾」を持ち帰る任務を託される。
選挙前に議員の取り巻きが消えたら目 ...
獄門島(横溝正史)
瀬戸内海に浮かぶ獄門島。
その獄門島を仕切る鬼頭家は、本家と分家に別れ対立していた。
本家の息子である鬼頭千万太は、戦争から帰る途中、戦友・金田一耕助に手紙を託し
「俺が帰れなければ3人の妹が死ぬ」という言葉を残し死ぬ。
金田一は手紙を届けるためにひとり獄門島 ...
この卑しい地上に(フィリップ・K・ディック)
名前は適当です。
ジョージの恋人ナンシーは、「天使」を呼び出すことができた。
「天使」といっても、翼を持った白く光る高エネルギー体としか形容できない、異次元の存在である。
美しいナンシーは、牧場や屠場で彼らの好物である子羊の血を買い、
WELL(木原音瀬)
木原音瀬「WELL」 長いので2スレか3スレ使うと思う
主人公は高校生、自宅地下のワインセラーで気づく。
外に出ると一面、白い砂の世界。
主人公は足に重傷を負っており、数歩しか歩けない。
そこに ...
囚われのマーケット(フィリップ・K・ディック)
エドナはタイムトリップ能力を持つ、田舎町の老雑貨商。
その能力は、店のトラックで山道を走っていて偶然発見というか発動された。
タイムトリップと言っても、その山道をトラックで走ると
「おそらく数十年から百年先の最終戦争の後」と行き来できるというだけの、 ...
母子像(久生十蘭)
舞台は戦後の混乱期~朝鮮特需の時代。
太郎は16歳、アメリカの慈善団体の援助で、ハワイの学校から日本のミッション系中学の一年生に編入した。
(日本語教育が足りないため)
太郎はサイパン生まれの戦災孤児。
母は将校向けの慰安所を切り盛りする美しい女傑だった。 ...
地獄はここに(山本弘)
インチキ霊能者の女が、TVの企画でかつて「予言」した少女殺人事件の現場で霊視を行うことになる。
いつものごとくもっともらしい(男の)犯人像をでっち上げ、「被害者の霊」を代弁して見せたが、
何の変哲もないいつもの仕事だったが、その後被害者の親友が会いにきたこと ...
幸福の代償(ロバート・シェクリイ)
未来のアメリカ。
A氏の家は電機メーカーB社の新製品で一杯だ。この住宅地では当たり前のことだが。
A氏は今日、一人息子が成人してから30年間の収入を抵当に入れた。
財務課員の話では、孫の生涯収入全部を抵当に入れた顧客もいるそうだ。
(既に孫が ...
阿部一族(森鴎外)
殿様が病床につき、もう亡くなるという時、殿様に特に可愛がられた家来は
死出の旅のお供として殉職を願って出る。
殉職するには殿様の許可が必要なのだ。
殿様も殉職させたくはないが、許さず生き残った家来は
「不忠義者」と周りに恥辱を受ける為、仕方なく18名ほ ...
合葬(杉浦日向子)
長崎へ遊学していたが、帰省時、幼少からの妹の許婚だった友人が破談を申し入れに来る。
すでに薩長が江戸入りしているが、自分は彰義隊で忠に殉じたいため、家督も弟に譲って家を出るという。
妹は泣き伏す。怒って友 ...