鍵(筒井康隆)
主人公はルポライター。
出版社で原稿を書き上げた後、昔の家(古い建売)を覗いてみようと気まぐれを起こす。
建売で、その前に住んでいたプレハブ小屋の鍵を見つける。
小屋で、以前勤めていた会社のロッカーの鍵を見つける。
会社のロッカーで、鍵を二本 ...
池袋ウエストゲートパーク(石田衣良)
主人公・真は高校卒業後は家のフルーツ屋を手伝いつつぶらぶらしている。
ある時女子高生のA子B子、ちょいオタっぽいC男とチャラ男Dと知り合い
五人で仲良く遊ぶ仲になった。
A子はいかにもなギャルだけどB子はお嬢様っぽい感じ。
実際父が官僚金持 ...
カラカラ(塚本邦雄)
拷問注意。
「テルマエという言葉を御存じでしょうか」
淵上青年のもとに不躾な電話が来た。
確か大浴場のことでしょう、古代ローマの。
「ぴたり御名答。では貴方様を今週の招待客に決めさせていただきます」
電話の主は続ける、
完全会員制豪華浴場【 ...
善猫メダル(筒井康隆)
近未来の日本。
若い夫婦と幼い娘が、首輪にメダルを下げた猫を撫でている。
捨て猫野良猫が増えすぎたので、政府は「善猫メダル」制度を設定した。
躾や愛らしさの審査に合格した飼い猫に、善猫メダルを与える。
メダルを下げていない猫を駆 ...
グランド・ブルテーシュ奇譚(バルザック)
フランスがスペインと戦争をしていた時代、ある町に伯爵夫妻が暮らしていた。
伯爵は気性の荒い美男、伯爵夫人は信心深い美女で二人は愛し愛されて結婚した。
ある時から夫人は頭痛を愁え、夫とは寝室を別にするようになった。
夫人の寝室には窓のない
遺産(小松左京)
品性下劣な老富豪が、部下の愛人の遺児を引き取る。
老人は彼女が求めるものは全て、慈母のように与えた。
しかし、求めるまでは何も与えなかった。食事さえも。
老「何かしてほしいことはないかね?」
娘「いいえ、何も…」
老「そうかね ...
眠れる美女(山尾悠子)
世界の真ん中に花園があります。
花園の真ん中には水晶の柩、柩の中には美しいお姫様が眠っています。
花園を囲むように、黒い騎士の姿が見えます。数が増えて、とうとう百人になりました。
同じ顔をした百人の騎 ...
與那國蠶は秋の贐(塚本邦雄)
東京にA男とB男の兄弟がいた。
兄のA男は某国の高級化粧品メーカー、ガビ化粧品日本代理店の名ばかり社長。
A男は繊細な美貌を持つホモで、偶然知り合ったガビ化粧品会長の「稚児」になり、日本代理店を与えられた。
(仕事は老舗薬品メーカーが引き受けている)
首(紋天沖世)
大学生の主人公は、学友を連れて実家に立ち寄る。
それぞれ、老人の生首を入れたクーラーボックスを下げている。
近未来の日本では、現役世代一人で20人余りの老人を支える計算になっていた。
政府は70歳以上の老人を殺すことを許可 ...
幸せ色の空(大懸朋雪)
「幸せ色の空」
平凡なサラリーマンの主人公はある日、「神」の尋問官に声をかけられる。
市民の声を聞くのが我々の仕事、と言う尋問官について行くと、
そこは彼らが「緩やかな尋問」に使うカフェだった。
形式張ったことはしたく ...