白い服の男(星新一)
舞台は最終戦争をくぐり抜けた遠い未来、主人公は特殊警察の分署長。
特殊警察は恒久平和のために日々働いている。その業務の一つが盗聴である。
犯罪などという低次元な事は一般警察に任せておけばいい。
特殊警察は世界平和を乱すものを芽のうちに摘み取るのだ。
盗聴機 ...
危険な関係(C.D. ラクロ)
「紳士淑女が堕落しないために、悪人たちの手口をここに公表する」
という口上で発表された恋愛小説なんだけど、
作中で色男が次から次へと女を口説いて誘惑して時には騙して手に入れて、
また美人悪女も奔放の限りを尽くして人生堪能している ...
銀齢の果て(筒井康隆)
とっくの昔に年金制度が破綻した近未来。政府は「老人相互処刑制度」を制定する。
それは何年かに一度、全国からランダムに町村を選び出し
そこに住む70歳以上の老人を最後の一人になるまで殺し合わせるという
まあ、簡単にいえばバトルロワイヤルの老人版パロディ ...
貴方一人しか存じませんから
作者はいかにもレディコミの、単行本の出ない作家だったと思う。
病院の特別室で、死期の近づいた老人と付き添いの老妻が和やかに話している。
老人は、老妻という最上の伴侶に巡り合ったことをひたすら感謝する。
なぜか話は、過去の恋愛談になる。
老妻は、 ...
凱旋パレード(ヘンリー・スレッサー)
未来のある日、長い戦争が終わった。今日はニューヨークの五番街で凱旋パレードがある。
半壊したオフィスで働く娘たちは、みな大事にしまってあった一張羅を着る。
徴兵された社長の代わりに会社を切り盛りする社長夫人も、麻袋みたいなスーツを捨てて花柄のド ...
ラブイユーズ(バルザック)
軍人崩れの悪党、伯父の財産に目を付ける。
伯父には若い愛人がいて、若い愛人には情夫がいる。
悪党、情夫を侮辱し、決闘を申し込ませて首尾よく殺す。
伯父と愛人を正式に結婚させ、全財産を妻に相続させる旨の遺言書を書かせる。
悪党、伯父 ...
人間の証明(森村誠一)
複数のエピソードが絡み合って一つに収束していくんだけど割愛して本筋だけ。
話は都内のあるホテルのエレベーター内で黒人青年が死亡するところから始まる。
ボロボロの古い子供用の麦わら帽子を抱えていた彼が来日した目的は実の母に会うためだった。
彼の母親は ...
たすけて!ガブガブくん(クリストファー・スレーター)
主人公のガブガブくんは石油を食べるモンスター
タンカーの事故が起こると流出した石油を全部飲んでくれるので皆からは感謝されていた
そんなある日、石油を吸い取るロボットが某国の博士によって発明される
事故が起こってもこいつが石油を吸い取ってしまうので ...
遅すぎた手紙(ヘンリー・スレッサー)
女A、男B、男Cは学生時代の親友。
Aは陽気で少し鈍感なB、繊細なCの間でドリカム状態()を楽しんでいた。
BCの間にAが割り込むと、Bは無邪気に喜ぶ。
Cは苦笑いしてABを暖かく見守るという関係だった。
AはBを素直なわんこ系()、Cを ...
余生の幅(松本清張)
商売人の金持ち亭主が、従業員の小娘を妾にする。
女房は別居して小料理屋を始める。
時々金をせびりに来て、というか離婚してないので帰宅して、妾を
「時分どきだから寿司でも取ってくれ」
「気を利かせて蕎麦でも取ったらどうなんだい」 ...