2001年公害の旅(筒井康隆)
その内の一つ。
公害が社会問題になっていた時代、主人公夫婦はまだ環境汚染されていない田舎に引っ越そうとする。
しかし何らかの理由で幼い息子だけは都心に残す事になる。
(将来を考え教育の質を落としたくないとか小 ...
仔羊たちの聖夜(西澤保彦)
とあるマンションでは二件の飛び降り自殺事件があった。
一件目の自殺者は少年だった。それはクリスマスイブの事だった。
有名進学高に受かったばかりで幸せ絶頂だったはずの彼の死体の横には、
クリスマス用に包装された包みがあり、中には何故かエロ本が入っていた。 ...
崖の国物語(ポール・スチュワート)
前提としてこの物語には独特の法則や文化がある
例:暖めれば浮き、冷やせば重くなる浮遊石を用いた飛空船や、浮遊石の上に建てられ
鎖で地上とつながる学術都市サンクタフラクスなど。また崖の国という名からわかるように
サンクタフラクス ...
南から来た男(ロアルド・ダール)
ロアルド・ダールの短編
主人公はホテルのプールサイドで、
若い青年がスペイン訛りのある老人に賭けを持ちだされているのを見る。
それは簡単な方法で、老人の持っているライターを10回連続で点火出来れば勝ち、というもの。
勝てば自 ...
こぶ天才(筒井康隆)
人間の背中に張り付いて瘤のようになる寄生虫がいる。
子供のうちにその寄生虫に憑かれると知能が高くなるということで、幼い子供を持つ親はみんな虫を付けたがった。
だが虫は一度付くと一生取ることは叶わず、ノートルダムのせむし男のような外見にならなくては ...
輝く断片(シオドア・スタージョン)
あるところに醜くて仕事もできず皆に蔑まれている男がいた。
仕事場では馬鹿にされ、友達も、顔見知りさえもいなく、いつも一人ぼっち。
そんな男がある日、行き倒れの女を見つける。
女は、腹部に大けがを負っており、顔 ...
奇妙なエデン(フィリップ・K・ディック)
うまくまとまらなかったけど、好きな話なので。
宇宙開発をするような近未来、小型の宇宙船に乗った二人の男、AとBは見たこともない星にやってきた。
その星にはなにか猫のような生物の足跡があり、
攻撃的で危険な生物かもしれないとA ...
小さき者へ(有島武郎)
簡単に言うと、妻を亡くした有島武郎が、遺された幼い3人の我が子に向かって
自分と妻がどれだけ子どもたちを深く愛してきたかを語りかける内容。
「私たちの愛はお前たちを暖め、慰め、導くだろう」みたいなテーマ。
だけど最初の方から「お前た ...
形(菊池寛)
ある国に無敵を誇る武士がいた。
武士は真紅の甲冑を身にまとい、最前線で一番に槍をふるう。
その姿に敵は恐れおののき、姿を見ただけで逃げ出す程だった。
ある日武士は若武者に戦で甲冑を貸して欲しいと頼まれる。
一番槍の誉を味わって ...
藤十郎の恋(菊池寛)
三が津総芸頭とたたえられる美男の狂言師・坂田藤十郎は
万太夫座の人気を賭けた新作で、人妻に言い寄る大役を与えられ思案していた。
この時代の不倫は、あかるみになれば磔の刑に処せられる命を賭けた恐ろしい恋。
周囲は、藤十郎ならば必ず見事に演じきるだろうと言 ...