長い暗い冬(曽野綾子)
現代、北欧のどこかの国。
石山は、幼い息子と二人で冬を迎えようとしていた。
母親はいない。石山が単身赴任して一年後、呼び寄せようとする直前に部下と心中したのだ。
既に家族で住むための家を購入してしまっていたので、宅内は無駄に広く感じる。
暗がりの目立つ居間で、息子は ...
血の翳り(西村寿行)
妻子が殺されて犯人を追うことになった主人公(刑事)
捜査を進めてくと先祖代々DQNの血筋があって、その一族は江戸時代くらいから
殺人をはじめとするその他諸々の犯罪に手を染めてる。
主人公と妻の家系もその一族の末裔にあたる血筋なのが発覚。
主人公の ...
医者の目に涙(石川恭三)
冷たい雨が降ってるクリスマス・イヴの夜10時頃、著者の病院に
車にひき逃げされた40歳の女性が運ばれてくる。
内臓破裂の疑いで緊急手術をすることになり、白血球数を調べたところ、白血病ということが判明。
無事手術を終え ...
日本とパラオの友情
その際、パラオの人達は日本兵と共にその作業に参加したことで
日本兵とパラオ人は仲良くなり、日本の歌を一緒に歌ったりしたという。
やがて戦況は日本に不利となり、いつ米軍が上陸してもおかしくない状況になった。
日本軍としては「島民を ...
重力ピエロ(伊坂幸太郎)
母は10年前の連続強姦事件の被害者で
父の決断によりその時できた子供を産んだ
それが私の弟だ
憎き強姦魔の居場所を突き止めた
会社の仕事という理由を作りあげその男の家に上がりこむことができた
すぐにでも殺してやりたいと思ったが、私の正体を明かすわけ ...
だからドロシー帰っておいで(牧野修)
「だからドロシーかえっておいで」ってタイトル。
ごく普通の平凡な主婦の主人公は、買い物帰りに異世界に迷い込んでしまう。
まるでオズの魔法使いのような世界で主人公はドロシーと呼ばれ、元の世界に戻るための旅が始まる。
魔物をやっつけたり試練をくぐり抜けたりしながら大 ...
パンズ・ラビリンス
1944年、内戦終結後のスペイン。
おとぎ話大好き少女・オフェリアは内戦で父親を亡くし、
臨月を迎えた母親はフランコ軍のヴィダル大尉と再婚、森の中にある軍の砦に向かう。
母親は体長を崩しており、馬車を降りて休ん ...
唄う骨(戸田誠二)
母を亡くした幼い姉妹
姉は地味な顔立ちで、妹は輝くばかりに美しい。
父はとうにいないし姉の方に母は「妹を頼んだよ」と言って亡くなった。
姉は幼い妹を守り、食いぶちを稼ぐため昼は店の手伝い、夜は売春をして何とか糊口を潤す。
姉は自 ...
暁のひかり(藤沢周平)
二五歳の市蔵は夜っぴいての賭場からの帰りで
暁の朝を迎えようとしている、江戸の町を歩いていた。
数年前までは堅気の鏡師だったが、手慰みの賭博に溺れて
いつの間にか、壺振りを生業にするやくざ者になり下がっていた。
しかし、ふと「頑張れ ...
初つばめ(藤沢周平)
両親が亡くなって姉弟が残された。
姉は弟を養うために必死で働き、いかがわしい店に勤めたこともあった。
やがて弟は大きな商店に奉公へ出て、そこで順調に出世していった。
姉は弟の成長を喜んだが、自分のようなものが弟の周りをうろついては
迷惑になると ...