言えないわけ(ローレンス・ブロック)
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213:本当にあった怖い名無し:2013/10/23(水) 08:56:14.66
- 「ローレンスブロック 言えないわけ」
死刑宣告を受けた男の独白から始まる。名前は忘れたのでAで。
欧米の話でAはレイプ殺人で死刑を食らう。ある日牢で暇を持て余した彼は、被害者の兄(B)に減刑のための手紙を書こうとする。
だけど彼は途中から、その手紙にどのようにBの妹をレイプしたか、
またどれだけ興奮したかを書き綴ってしまう。
それを出したいと想いを馳せるが寸でのところで理性が働きやめ、
普通の謝罪文を書いて出す。だけど彼はその出さなかったほうの手紙を捨てることは出来なかった。
何故なら読み返すことで鮮やかに記憶が甦り興奮出来たからだ。
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214:本当にあった怖い名無し:2013/10/23(水) 09:01:06.26
- 月日は流れ、それでも彼の死刑はまだ執行されていなかった。
その間もPFになった女性とやりとりがあるが割愛。場面が変わって、手紙を受け取ったBのほうになる。
彼は愛する妹を亡くしたことを悲しみ心底辛い思いをしている。
だが、殺してやりたいとすら思っていたAからの手紙を何故か彼は捨てることは出来ず、
定期的に届く手紙をいつしか真剣に読むようになる。そして、Aを許せない自分ともう楽になりたい思いに挟まれた彼は
ある日意を決して返事を書く。
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215 :本当にあった怖い名無し:2013/10/23(水) 09:09:27.12
- それを受け取ったAは狂喜乱舞する。
死刑を覆すための正に蜘蛛の糸。
どうにか再審で有利に運ぶために改心してはいなかったが、
上手に繕いBの信頼を勝ちうる。
結果、再審→終身刑になる。個室である死刑囚の牢からタコ部屋に移る際、
彼は何百回となく読み返した件のレイプ詳細の手紙を捨てていく。
外に出られる見込みが経った彼にはもう必要なかったのだ。
それに読み飽きてもいた。
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216 :本当にあった怖い名無し:2013/10/23(水) 09:14:05.25
- タコ部屋に移った彼はDQNたちに輪姦されたりと散々な目に遭い、傷つく。
だがそんな傷心の彼を支えたのは、今や親友となっていたBだった。
Bは慰め、差し入れし、甲斐甲斐しく彼の心を癒した。よもや共依存のようだ。そして、Bの強い嘆願もあり、Aは十数年ぶりに仮釈放で外へと出る。
Aを迎えたのは勿論B。
彼の運転する車で用意された酒を飲むA。
そこで、彼の意識はぷっつり途切れる。
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217 :本当にあった怖い名無し:2013/10/23(水) 09:17:48.46
- 目を覚ましたAは自分が椅子に縛られていることに気づく。
無論Bの仕業だ。Bは愛する妹を殺したAに自身の手で復讐するために、
わざわざ彼との関係性を構築したのだと告げる。
Aは落胆し、本気で改心してはいたし、友だと思っていたとも言う。
だがBは取り合わない。
そして、レイプされた妹と同じように山奥の小屋でAを殺そうとする。だが、そこで不意にAがにやりと笑った。
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218 :本当にあった怖い名無し:2013/10/23(水) 09:21:44.40
- そして、Bに、彼宛に書いた手紙はもう一枚あったと告げる。
いぶかしがるB。
Aは続けて、内容は何百回となく読んだから覚えている。
聞かせてやろう、と話し始める。
…そう最高に興奮する、たまらない手紙。Bの妹をレイプして殺した手紙の詳細を…。Bの発狂した姿で、物語はおしまい。