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754 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/07/19 13:13
ある一人の女が、帰路につこうと電車にのっていたが
途中で気が変わり、ちょうど着いた駅で降りてみることにした。
すぐ近くにあったホテルに泊まり、フロントの青年と親しくなったのだが…
女は知らなかった。自分が「儀式」の「生け贄」にされることを。
なんとこの町は、毎年この時期になると余所者の女を藁葺きの小屋に入れ、
小屋ごと燃やすという儀式を行っていたのだ。
もちろん、町ぐるみでやっていることだから外に儀式の存在を知られることはない。

青年は女が自殺しないようにと見張りを命じられ、自殺などする気が起きないよう観光案内をした。
だが、青年は一緒に過ごしたこの一日で女に好意を抱き始めていた。
この無邪気な女を、儀式の生け贄になんてしていいのだろうか。
「彼女を死なせてはいけない。なんとしてでも、防がなければならない」
青年は女の部屋を訪れ、今夜一緒に列車に乗って帰ろうと言った。
女はその気になってくれ、他人に見つからないようこっそりと列車に乗った。
ほっと息をついた。自分はこの女の命を救うことができたのだ。自分はいいことをしたのだ。
朝、ある駅でおりる。そこも小さな町だ。
女は青年を家へ招き入れ、部屋で寝かせた。
別な部屋で、女は父親らしき男と話している。
「なんだ、あの男は」
「勝手についてきたのよ。頭がおかしいみたい」
「それはちょうどいい。例年の行事の日が迫っている。
 よそ者の男を湖の底に沈めなければならない。秘密の儀式だ。」


755 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/07/19 13:13
☆新一のショートショート
「若葉の季節」

 

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