疑惑(星新一)
N氏の職業は霊媒師
彼は死者との交信能力を持っていた。
交信能力を使った後は気怠くなり、必ずしも楽な商売とは言えず、
その上何を聞かれどう答えたのか記憶に残らないことは彼を物足りない気分にさせたが、
前者は多額の謝礼金で補われ、後者は責任が軽くなることで補わ ...
香水―ある人殺しの物語(パトリック・ジュースキント)
映画化されているけど、小説の方。
グルヌイユは生まれたとたんに、それまで産んだ赤ん坊を
何人も殺して埋めていた母親が逮捕されて死刑になったことで孤児になった。
孤児院に入れられその後皮職人の所でこき使われる 。
彼には一切の体臭が無く、そのために周りの人間に気味悪がられた ...
こころ変わり(ロバート・ブロック)
ロバート・ブロック「こころ変わり」
主人公は古い懐中時計を持っている。
もう壊れて動かないけれど、とても大事な時計。
ある日、裏道で古い時計屋を見つけて「ここなら直せるかも」と思って中に入 ...
こわいもの(田村由美)
高校生ぐらいのと、20代後半ぐらいのと、二組のカップルが遊園地に来ていた。
(以下、高校生カップル→少年・少女、20代後半カップル→男・女と表記)
池の真上を通るジェットコースターに乗りこむ二組。
元々遊園地に来ることも気のりじゃなかった少年は、嫌な気がするといって ...
かけひき(小泉八雲)
「首をはねられた後、あそこの岩にかじりついたらお前のこと埋葬して供養してやるよ」
(当時は罪人は墓なし)と言って、実験したことあるらしい。
一人だけ成功したんだっけかな。
でも成功したらしたで、その罪人、岩にかじりついたままさらし者 ...
皇国の守護者/アンドレイ・バラノヴィッチ・ド・ルクサール・カミンスキィ(佐藤大輔)
サブキャラ(男)の幼いころのストーリー。
そいつ家はもともと裕福だったが、なんやかんやで借金まみれになり、父も死ぬ。
母はたいそう美人だったため、金貸しに『体売れよ』と言われ、娘も一緒に娼婦になる。
幼い男は、母や姉が売春している意味 ...
コドモノクニ(朱川湊人)
四季にあわせたタイトルの、4編の子どもの短編集。
どの子も小学生くらいの話。
一番後味が悪いのは最後の話だけど、せっかくなので全部書いておく。
うろおぼえなのでかなり想像で補完しています。
『ゆきおんな』
雪国に住むA子に ...
感謝祭の二人の紳士(O・ヘンリー)
ここ九年ほど感謝祭の日に、
男が決まった時間、決まったベンチに座っていると、
紳士が男を見つけ、感謝祭についての口上を述べ、
レストランに行き、自分は食べずに男にお腹一杯になるまでご馳走する、ということが恒例になっている。
男が今年も、そのベンチに ...
黒猫(エドガー・アラン・ポー)
男は優しく思いやりのある性格で、動物好きで、同じような気質な妻を迎え、
様々な動物と暮らしていた。その中でも利口な黒猫がお気に入りで猫もなついていた。
ところが、男は酒に溺れるようになり、凶暴になっていった。
ある時、男が酔って帰ると、黒猫が避けているように感じ、猫を乱暴に掴 ...
黒い夏(ジャック・ケッチャム)
レイは見た目カッコいい青年。
本人もそれを自覚しており、俺がファック出来ない女は世の中いやしねえ!と思ってるので
キャンプ場で見かけた女を気に入ったがレズだと分かり(嘘、レイの思い込み)
一緒に居たレズの相手(ただの親友)に向かって茂みの陰から同性愛なんて許せねえ!反 ...