背信の交点(法月綸太郎)
とある列車で、席に着いたままの状態で死んでいる男性が発見される。
そこは指定席で、終点になっても降りない乗客に駅員が声をかけて発見、服毒自殺だった。
同じ車両にいた主人公の小説家は取材旅行の帰りだった、
先に列車 ...
重力ピエロ(伊坂幸太郎)
和泉と弟の春は、連続放火事件の謎を追っていた。
兄弟の母親は既に無くなっており、父親は癌で入院している。
生前の母はモデルをしていたくらいとても美人で、
父に一目惚れしていきなり荷物を持って、父の勤務先の市役所に押し掛けたくらいの電波だった。
彼女は ...
人獣細工(小林泰三)
主人公「私(女)」は幼少時から体が弱く、
臓器移植の専門家だった父の手で様々な臓器を移植されて成長した。
父の専門は「遺伝子操作による移植臓器」。実験対象はブタ。
私の体には、ヒトの臓器を持つように遺伝子操作されたブタから取り出された内臓が詰まっ ...
さくら橋(乃南アサ)
A(小6くらい)には、年の離れた弟(小学校入学したかしないかくらい)がいる。
その弟の友達のB。Bには父親がおらず、Bを育てる母親はバーのママで、
なかなかBの面倒を見れないため、夜はA家で預けられていることが多かった。
Aの家は両親と祖父母、そして弟とAの ...
善意の集積(星新一)
ある所に心の優しい、盲目の少女がいた。
ある日地球に宇宙人がやって来た。友好的な宇宙人で、たまたま通り掛かった地球の調査を行っていた。
しかし彼らはとても醜い容姿をしていた為、彼らを目にした人は気を失って話を聞く事が出来なかった。
困っていた宇宙 ...
症候群(西村寿行)
あの頃は、小松左京や松本清張のようなミステリーを求めていたなあ。
金持ちの老人が、人里離れた山荘で、忠実な下男と共に暮らしていた。
ある日、幼い兄妹が迷い込んできたので、二人を飼おうと思いついた。
飼育用の巨大なガラス製 ...
双頭の蛇(西村寿行)
マンションでは騒音に悩まされる事は無かったが隣人が変質者だった。
隣人は表向きは真面目な人間だが、妻に向ける視線に異様なものがあった。
いやらしく、粘つく様な目。明らかに変質者の目だった。
隣人はゆっくりと夫婦を追いつめて行く。 ...
呪術師たち(西村寿行)
妻子もあり、平凡な中年サラリーマンの山田は
帰宅途中、得体の知れない老人に「死相が出ている」と告げられる。
老人の風体はいかにも本物の予言者っぽくて「馬鹿馬鹿しい」
「でももしかしたら……」とgkbrする。
帰り道、やくざに絡まれ殺されかける。予言は本物なのか!と思う山 ...
最後の花束(乃南アサ)
主人公の「僕」は祖母に育てられて中学を卒業後、家出同然のように家を飛び出し
都会で飲食店で寮に住み込みで働いている。
お客やその他の人に可愛いと容姿を誉められることが多く、
だけど満たされることもなくただなんとなく生きてる毎日だった。
あると ...
白い壷(津村節子)
洋子は幼い内に母を亡くし、仕事をしながら家事全般を担って父と二人三脚で生きてきた。
その父に再婚の話が持ち上がり、掌を返したように結婚を勧めてくるようになる。
父の世話のために婚期を逃した部分もあったために、
洋子は耐えきれない理不尽さ ...