皮膚(ロアルド・ダール)
1946年の冬のパリ、みすぼらしい老人が飾り窓の絵に惹かれて、フラフラと画廊に入って行った。
当然、病気の野良犬なみの扱いを受ける。
老人は啖呵を切り、シャツを脱いで背中の刺青を見せる。
刺青は画廊の目玉である、すでに物故した有名な画家の初期のタッチで、サイ ...
通りすぎた奴(眉村卓)
「通りすぎた奴」眉村卓
人々が、数万階もある超々高層ビルの中で生活をしている世界
全てのことがビルの中で用を足すことができ、ほとんどの人が外に出ることはない
外の世界に関心を持つ者は皆無で、ビル内で一生を終える ...
妖精配給会社(星新一)
地球に一台のロケットが飛来した。中にはタマゴが一個。
タマゴからは「妖精」が生まれた。
猫ほどの大きさで、猫より軽く、全身を灰色の毛皮で覆われた、翼と尻尾を持つ生物である。
妖精は地球の言葉を学習し、世辞を言った…と言うより、世辞を言うしか能のない生物だった。 ...
マルコ福音書(J.L.ボルヘス)
1928年、アルゼンチンでの出来事。
医学生の某は従兄(農場主)から、農場に避暑に来るよう勧められて快諾した。
理由は、断るのが面倒だから。
彼はもう33歳だが、一番好きな教科の点が取れず落第を繰り返していた。
弁論の才能があり、お人よしで、特に頭 ...
WORLD JC/女性バックパッカーの体験談
アフリカのある国の部族にもてなされて、ある少年とも仲良くなった
食事をする時も料理を手で掴んで相手に食べさせるのが友好の証なんだとかで
お互いそうするほど仲よく成ったらしい
ある日、その少年から学費や教 ...
いつかは消えなくてはいけない「非現実な存在」
かなり前だし、ライトノベル作家の作品で
作者名も題名も忘れたけど投下。
ある繁華街のラブホで男が殴り殺されているのが発見され
凶器は部屋の備え付けのテレビで一撃されての即死。
いくら小型だといっても総量20㎏はあるテレビ本体を降り下ろ ...
大いなる助走(筒井康隆)
主人公は大企業に勤めるイケメンエリートで趣味は小説を書く事。
地域の文芸サークルに入り自分の会社や日常をネタに使った
社会派処女作小説が全国クラスの賞をとり、直木賞候補にあがる。
一躍時の人となる主人公だが、会社からはその小説が自社をモデルにし ...
青の魔性(森村誠一)
若い小学校教師のAは自分の担任しているクラス(6年)の生徒である、B子の事が気になっていた。
B子は美貌の少女だが、精神年齢が高過ぎるせいかクラスから浮き気味で、
特に女子のあるグループから陰湿な嫌がらせを受けている様だが、 ...
白いハムスター
ある女子高生が誕生日に白いハムスターを両親に買ってもらう。
前からハムスターが飼いたかったらしく、少女はその日から熱心に世話をする。
水は常に新鮮なものをあげて、餌も栄養を考えつつハムスターの好みのものを食べさせてあげた。
長者の家に奉公に出た少女
ある所に可愛らしい少女がいて、遠くの村の長者の家に奉公に出る事になった。
その可愛らしさに目を付けた長者は少女に妾になるよう迫るが少女は拒否。
怒った長者は他の使用人たちに少女を無視させいない者として扱わせる。
はじめ仲間は同情して少女に食事を分けた ...