伜の質問(スタンリイ・エリン)
私は電気椅子係。
昔は死刑執行人と呼ばれていた職業。
昔、死体を埋葬する職業は墓掘り人足と呼ばれて差別され貧乏だった。
今は葬儀屋と呼ばれ、一般市民と交わる事も許され、金持ち。
世間の連中はレッテルしか見ていないのだ。
私の本職は電気屋兼修理屋で ...
おくりびと 第二章(白戸ふみか)
まず「おくりびと」の簡単なあらすじ。
プロのチェロ奏者だった主人公は、
楽団の突然の解散によりチェロを諦めて妻と共に故郷に帰る。
職種を勘違いして再就職した先は納棺の会社だった。
死体を ...
帰ってきたソフィ・メイスン(E・M・デラフィールド)
とあるワイン商人の夫婦が片田舎の古い屋敷を別荘として買い取った。
夫婦は子供が3人おり、乳母としてイギリス人の若い娘を雇っていた。
その乳母の名前はソフィ・メイソンといった。
ソフィは私生児で幼い頃に母も死んでいた。
母の死後は、宿屋を ...
ぼくは五階で(三田村信行)
主人公は小学生のナオキ。
両親が共働きのいわゆる鍵っ子で、マンションの五階501号室に住んでいる。
ある日、いつものように学校から帰宅して荷物を置き、外に遊びに行こうとする。
ところが、玄関のドアを開けて外に踏み出したはずが ...
可哀相な姉(渡辺温)
「僕」は唖の姉と二人暮らし。
姉は結核(一説では性病)だが病院に行かず、
花売り娘のふりをした私娼で「僕」を養っている。
「僕」は子供とは言えない年齢だが働いていない。
「僕」と姉は近親相姦で生まれた姉弟で、
親はどういうわけか、姉に「はい ...
黙示録(池上永一)
琉球王国時代「踊り」は国の重要な外交手段のひとつ。
踊りの役者である子供たちは国家公務員的身分。
最下層身分の芸人の子供だった了泉が踊りの才能を見出され抜擢され、
どんどん出世し身分も芸も最高峰に上り詰めながらも
その驕りのため落ちぶれていく話。 ...
筒井康隆の短編
主人公は底辺ワープアで、母親と二人暮らし。
重労働サービス残業をこなして帰宅すると、
母が昔、子連れで住み込み女中をしていた田舎名家のDQN息子が
家出して転がり込んでいた。
母親が小さくなっているので主人公も迷惑なのを押し殺して丁寧に挨拶するが、 ...
古いランプ(土家由岐雄)
魔法のランプの魔人の力で、無人島に豪邸を建てて暮らそうとした商人が
やはり寂しくなって町に帰してと頼むんだけど
この魔人が先に死んでしまい、商人は脱出のすべを失ったまま一人取り残される。
ラストシーンは、食料も無い無人島で商 ...
噂(荻原浩)
渋谷の若い女性の間に「レインマン」という殺人鬼の噂が広まる。
黒いレインコートに身を包み、若い女性を殺害し足首を切断してしまう恐ろしい殺人鬼。
だがなぜか、「ミリエル」というブランドの香水をつけていれば狙われないという・・・。
実際は日本でのミリエル発売キャンペー ...
恐ろしい電話(ヘンリー・スレッサー)
主人公は中年~初老の人妻、または後家さん。
原文にはっきりした表記はない。
彼女の住む地域は共同加入電話を使っていて、
呼び出しベルの鳴る回数で誰の家への電話かがわかる仕組み。
よその家の通話中に受話器を取れば加入者同士盗聴できるが、
皆「盗聴 ...