善人は、なぜまわりの人を不幸にするのか 救心録(曽野綾子)
>もっとも長い綱をもらい、先頭に立つのは、頭のいい優等生の犬で、これが群をひきずって行く。
>ところが、群の中には、いつも、綱がたるんでしまっているのが一匹いるというのだ。
>綱がたるんでいるということは、橇を引くのにはまっ ...
巷談辞典(井上ひさし)
「動物を可愛がっておいでの皆さんからは叱られるかもしれないが、
子どもの時分からずいぶん犬や猫を苛めてきた。
(略)
たとえば小学五年のとき、近所の猫を煮干し用雑魚(じゃこ)でおびきよせ、
とっ捕えてやつの鼻の穴 ...
悪魔の薔薇(タニス・リー)
19世紀末くらいか。
ある先を急ぐ旅の途中、雪で鉄道が止まったために寒村で足止めを食った『私』の語りで進む話。
その村には、「悪魔が見目麗しい男性の形でやってきて、
恋に恋する領主の娘をたぶらかし、攫っていってしまった」伝説がある。
神様の思し召し(スタンリイ・エリン)
生まれつきおつむの足りない男性の一人称でスタート。
インチキ奇跡(病気を治す等)で稼ぐインチキ新興宗教の教祖に拾われた彼は、
その宗教団体で働き始める。
足りないなりに働き者の彼は、平穏な日々の後、教祖の令嬢と恋仲になる ...
制裁(アンデシュ・ルースルンド・ベリエ・ヘルストレム)
ある父親が五歳の娘を幼稚園へ送った後、ロリコンレイプ殺人犯脱獄のニュースを見て驚愕する。
犯人が、幼稚園の前で挨拶を交わした男だったからだ。
慌てて幼稚園に連絡するも、娘の姿はすでに消えていた・・・。
で、娘を取り戻すための戦いが始まるのかと思いきや、娘はあっ ...
二十日鼠と人間(ジョン・スタインベック)
二十日鼠と人間
小説原作で、映画もある
舞台は大恐慌時代のアメリカ。
主人公は巨漢怪力のタリンコだけど心優しいAと、頭が良くて面倒見もいいのBのコンビ。
Aは物知りなBを尊敬しているし、Bもタリンコで揉め事を起こすけれど心優しい ...
アルジャーノンに花束を(ダニエル・キイス)
「はつかねずみ の あるじゃーのん は しゅじゅつでかしこくなったお。
ぼくもしゅじゅつでかしこくなるお。」
「なんだよ、友達だと思ってたらあいつら俺のことコケにしてたんじゃねーか。
お袋も『いい子にしてたら迎えに来る』とか嘘ついてんじゃねーよ。 ...
おいしいものを食べたいだろうに
(一般の小学生の少女(以下A)が賞を取って掲載された作文)
Aが家族でとあるレストランに出かけたら
体の不自由な人とその付き添いの家族数人が来店し
テーブルに座ったがウエイターはその一行を無視
いくらその家族が ...
押しかけ教師(眉村卓)
中学生男子の主人公の前に未来から来たという青年が現れた。
細かいことは忘れたけど青年からあれこれ未来人だという証拠を見せられて
最初は信用してなかった主人公もそれを信じた。
で、この未来人が主人公の教科書などを見て
「あーこの時代だ ...
一時間の物語(ケイト・ショパン)
英米文学の授業で読んだ短編。長くて数ページだった。
主人公は中年~老年の貞淑で物静かな女性。
心臓に持病があるものの、長年連れ添った夫と穏やかに暮らしている。
ある日、その夫が旅行先で事故に遭って死んだという報せが ...