クモの巣(サキ)
エマと夫は、夫が相続した農園に越してきた。
カビ臭い居間に比べて、台所は広く清潔で眺めもいい。
暖炉の横のちょっとしたスペースはガラクタ置き場になっているが、
片付けて更紗のカーテンでも吊るせばくつろぐのにちょうどいい場所になるだろう。
と思ったエマだが、障害が1つあった ...
奇蹟をおこす男(H・G・ウェルズ)
射撃ゲーム場の店員を務める青年は、
ある日酒場での些細な会話がきっかけで
奇跡を起こす力を手に入れた。
早速様々な事に試して楽しむ青年だったが、
ちょっとしたミスで奇跡の力で警官に怪我をさせてしまった。
青年は謝りながら警官 ...
刀語(西尾維新)
尾張に幕府があるパラレルワールドの日本
男女が12本の刀を集めて日本を回る
2人は旅をする内にお互い愛し合うようになる
11本まで集めたところでこれが終わったら何をしようかと楽しげに語り合う
その後尾張へ戻った男女の前に
ライバルに仕える忍者が現れいきなり女 ...
胡沙笛を吹く武士(司馬遼太郎)
読んだ人も多いだろうけど以下簡単にあらすじ。
奥州出身の新選組隊士、鹿内薫と、京都の髪結いの娘、小つるが出会い恋に落ちる。
鹿内は新選組隊士としてはかなりの切れ者で腕がよかったが色恋沙汰にはかなりの奥手で、
嫌 ...
髪(乃南アサ)
A子は美髪が自慢。
本当は平凡だが、艶のある黒髪ストレートロングのおかげで美人に見える。
実は天パで、お高い美容室でこまめにストパーをかけて
毎朝洗面台を占領して命がけでブローしている事は家族しか知らない。
同僚のB子は使い古しの竹ボーキみたいな赤茶けた癖っ毛。
シ ...
家族八景/亡母渇仰(筒井康隆)
主人公火田七瀬は、読心能力を持つ美少女で流れ者の家政婦。
連作の最後を飾るこの作品では、姑の介護のためA家に雇われている。
A家の姑が病に倒れ、疲れはてた嫁が「お義母さまのため」に
家政婦を雇ってくれるよう夫(以下A男)に頼んだのだった。
殺す(J・G・バラード)
1988年、ロンドン西部の高級住宅地パングボーン・ビレッジで
住人と警備員と使用人32人が殺害され、子供全員(8歳から17歳の13人)が行方不明になった。
パングボーンの戸数はわずか10戸、フェンスで囲まれゲートは一つだけ、
警備員が常駐し ...
疑惑(松本清張)
金持ちの初老の夫と水商売あがりの若い後妻。
ある夜、夫の運転する車が海に転落し、助手席の後妻だけが助かった。
後妻は、うとうとしていたらいつの間にか海に落ちていた、夢中で脱出した、と供述した。
警察は無理心中と事故と後妻の計画殺人の三つの可能性を等分に調べた。
主人公 ...
答えのない絵本(麻耶雄嵩)
で、全部で7冊読んだが、『メルカトルかく語りき』を読んだ時は後味が悪くなった。
『メルカトルかく語りき』には、“答えのない絵本”という短編が収録されているんだが、
メルカトル鮎という探偵は“殺人”という事がハ ...
湖畔にて(倉阪鬼一郎)
哲学にのめりこみ真理を追究するあまりに精神を病んだ彰彦は
田舎の湖畔に療養のため引っ越す
精神を病んだことともともとの性格から人付き合いを避けていたが、
静かな湖畔で暮らし黒猫を拾い育てるうちに精神も回復していく
ところがある日村人が作務衣をきて黒猫 ...