モビールに艦隊が入港したとき(パトリシア・ハイスミス)
高校を卒業したばかりの主人公は、友達と二人で仕事を探してモビールという港町に出た。
ルームシェアしてとりあえずウェイトレスになり、
軍需工場の女工になる日を夢見て週15ドルを実家に送金した。
主人公と友達は水兵(ただしイケメンに限る)ととっか ...
無罪の薬(星新一)
ある組織の男Aがどこかの研究所の極秘文書かなんかを盗みに入るが運悪く警報装置に引っ掛かってしまう。
Aは予め組織から「飲むと絶対に捕まる事はない薬」を渡されており、今がその時だと薬を飲み込む。
一体どんな効果があるのか…透明になり逃げ切れるのか狭い隙間から抜け ...
マサ、留守番する(宮部みゆき)
『パーフェクト・ブルー』及びその続編『心とろかすような』より
『マサ、留守番する』
うろ覚えだから多少違うかも
蓮見探偵事務所で飼われている元・警察犬の主人公、マサ
ある日蓮見一家は台湾へ3泊4日の旅行へ出かけた為、自宅兼事務所で留守番する事 ...
目のない賽(都筑道夫)
いかさま賽作りの天才職人、友次郎。
彼が昭和30年代に死んでから、東京にはいかさま賽を作れる職人はいない。
友次郎のサイコロは、ちょっと練習すれば丁半どちらでも自由に出せる。
並みのいかさま賽は丁目賽、半目賽とわかれているのだが。
友次郎は空襲で前妻を ...
マテオ・ファルコーネ(メリメ)
フランスの近くにある『コルシカ島』という島の住人は
義理堅く気性が荒い。また裏切り者を決して許さない気風を持っている。
その島の住人マテオ・ファルコーネもそんなコルシカ人の一人だ。
作者メリメはコルシカ島へ行き、
まえ置き(夏樹静子)
弱気で要領の悪いサラリーマン、弱田は
要領がよくて押しの強い同期、強川に押さえつけられて来た。
ある日、轢き逃げをした強川に身代り出頭を頼まれた弱田は当然断る。
しかし、弱田の息子は二人と同じ会社に入社し、強川の部下になっていた。
...
モーリスとネコ(ジェームズ・ハーバート)
キナ臭い世界情勢を見て、平凡なサラリーマンのモーリスは庭の地下に一人用の核シェルターを設置した。
ロンドンが核で破壊されたので、彼はシェルターに逃げ、隣人たちの目の前でハッチを閉めた。痛快。
シェルターには野良猫が一匹隠れて ...
マルコ福音書(J.L.ボルヘス)
1928年、アルゼンチンでの出来事。
医学生の某は従兄(農場主)から、農場に避暑に来るよう勧められて快諾した。
理由は、断るのが面倒だから。
彼はもう33歳だが、一番好きな教科の点が取れず落第を繰り返していた。
弁論の才能があり、お人よしで、特に頭 ...
ミス・マーサのパン(O・ヘンリー)
マーサは最近、自家製の美容液を作るほど見た目を気にしている。
それは、マーサが営んでいるパン屋に定期的にパンを買いに来るある男の事が気になっているからだ。
男はいつも、みすぼらしい恰好をして、店で一番安いジャムも具 ...
報われなかった親切(平山夢明)
Mさんは高校生の時福祉サークルに入るなどして、人に親切にすることを心がけていた。
ある時山で足を挫いて動けなくなっていたお婆さんを発見し
背負って山を下りタクシーで病院へ運んだ。
お婆さんは何度も「ありがたいありがたい ...