偉大なる、しゅららぼん(万城目学)
「偉大なる、しゅららぼん」という小説
【あらすじ】
琵琶湖の湖東地方・石走では、琵琶湖から超能力を授かったと称する湖の民
日出家と棗家がいがみあいながら共存していた(もちろん能力の事は一般人には秘密)
湖の民は故地の湖 ...
報酬は美女
主人公AはモデルBを口説いている。
BもAを憎からず思っているのは明らかだが、決して私生活を明かさないし一線を越えることはない。
ミステリアスなBにますます惹かれるAだが、Bは老紳士Cと親しく交際していた。
交際といっても、紳士らしく ...
さびしいまる、くるしいまる。(中村うさぎ)
恋愛感情を否定し、ホストAがどれほど純粋かをくどくど語り、
ホストAがいないと生きていけないくらいのめり込み、
夫の親が危篤でもホストクラブでどんちゃん騒ぎ。
ホストクラブは嘘で塗り固めたそんな店ではなく、
実際はもっと純粋な云々… ...
オズの魔法使い(ライマン・フランク・ボーム)
「オズの魔法使い」の、ブリキの木こりの恋愛の顛末。
現物手許にないのでところどころうろ覚え。
ブリキの木こりは、もともとは普通の人間で、とある娘と恋仲だった。
でもその娘の祖母は性格の悪い魔女で、孫の恋愛を望んでいなかった。
魔女は木こりの斧に魔法 ...
呼び名(中井英夫)
画家の矢川は庭の薔薇の手入れが唯一の趣味である。
ある日、薔薇の生け垣で怪我をしたという少年が警官に連れられてやって来た。
「僕、血友病なんです…」
と言う少年だが、掻き傷の血はすぐに止まった。
救急箱を持って来た内妻は、少年を見て顔をしかめた。因縁をつけられた ...
マテオ・ファルコーネ(メリメ)
フランスの近くにある『コルシカ島』という島の住人は
義理堅く気性が荒い。また裏切り者を決して許さない気風を持っている。
その島の住人マテオ・ファルコーネもそんなコルシカ人の一人だ。
作者メリメはコルシカ島へ行き、
孤独なカラス(結城昌治)
ある町の大きな公園で乞食女が殺され、続けて幼女が一人殺された。
どちらも首を絞められ、腹を切り裂かれていた。
どちらの事件も、死亡推定時刻の前後に公園でカラスの鳴き声がした、という証言があった。
とある万年刑事、出世には無縁だが所轄内のことは誰より詳しい刑事が、 ...
天下公認の娼婦、またの名は主婦(パトリシア・ハイスミス)
彼女は正式に結婚した。
白いドレスを着ていたが処女ではなく、夫ではない男の種を宿して、
法に守られ社会に認められ、夫の金に支えられて男漁りを再開した。
(ガス検診係、弁護士、近所の亭主、息子の実父、かかりつけの医者)
息 ...
あなたに捧げるブルース(阿刀田高)
あなたは31才。どこにでもいるような平凡なサラリーマン。
ことの起こりは背広のポケットの底にあいた小さな穴。
人生はどこにどんな運命の岐路があるかわからない。
休日の11時過ぎにあなたはあたふたと布団から飛び出し、
仕事の打ち合わせに指定され ...
月の光(W・ハイデンフェルト)
休暇中の兵隊でいっぱいの列車が、夜のイングランド中部を走っていた。
兵隊たちは飲んでは喋り、歌い、ハーモニカを吹き、疲れるとコンパートメントに戻っていった。
がらんとした食堂車には、大尉の制服を着たぱっとしない娘と語り手だけが残った。
語り手が話の継ぎ穂を探 ...