いっしょに死んだ方がよかった
やっぱり、同じように東京から地方に疎開してきた小学生達がいて、
同じようにお手玉に忍ばせた炒り豆やくすねたビオフェルミンをかじって飢えをしのいだり、
家族に会いたくて泣いたりといった日常が語られる
地元のおじさんにもらったたった一つのリンゴを ...
ビートルズを知らなかった紅衛兵―中国革命のなかの一家の記録(唐亜明)
封建中国では、女性は自分の名前を持つ権利を有しなかった。
祖母(父の母)の名前は戸籍では、もともと、「唐呉氏」になっていた。
つまり祖父の姓(唐)に自分の姓(呉)と氏ををくっつけていただけだった。
(日本でいえば「山田佐藤君」みたい ...
疫病船(皆川博子)
「疫病船」
心を病んだ妻を持つ弁護士。ある日彼は娘が母親を殺そうとした事件を担当する。
娘は「自分達は死ぬべきなのです」という。母は「娘は気が違っている」という。
気になった弁護士が二人の過去を調べ始めるも、その間に娘は自殺。
やがて明らかになったのは、 ...
獣舎のスキャット(皆川博子)
「獣舎のスキャット」
頼りない親の代わりに薬局を一人で切り盛りする娘。
弟に対し、多少歪んだ愛情を抱いている(盗聴するなど)
だが親までもが少年院上がりの弟を極端に溺愛し、自分達が
死んだ後は店舗を弟に譲ろうと考えている。それが許せなかった娘は
殺戮にいたる病(我孫子武丸)
注:
この小説はただ一つのトリックが全てというタイプのミステリなので、
そのネタを知ってしまうと人によっては面白さが激減します。
(ネタバレスレなので当然といえば当然なのですが、念のため記載しました)
東京で連続猟奇殺人事件が起きる。
被害者は ...
シーラという子–虐待されたある少女の物語(トリイ・ヘイデン)
精神に障害を持つ児童を集めた特殊学級の教師・トリィ。
その特殊学級に6歳の少女・シーラが転入してくる。
彼女は3歳の男の子を焼き殺そうとして捕まり、
すべての施設から受け入れ拒否された為、シーラの特殊学級に放り込まれたのだ。
最初は関わ ...
チェブラーシカ
最近JRの広告に起用されたからか、よく見るようになったチェブラーシカ
元ねたをロシアの人形劇と勘違いする人がおおいが、本当は小説が起源
しかし、その小説は当時のロシアを連想の風刺的な内容が影響からか、非常に耐え難い表現がある
主人公のシカの連れ添いに ...
水底の祭り(皆川博子)
1970年代くらいの東京。主人公は、歌舞伎町辺りの小さなバーのバーテン(女性)。
店は30歳くらいのママ(A)が運営しているが、癇癪持ちなため主人公は距離を置いている。
また、店の出資者はそのママの叔父(B)。40代のナイスミドルで ...
しばてん(田島征三)
子供のころ読んだのを思い出しながら書いたので違うところもあるかもしれませんが
しばてんとは小さな河童のような化け物で夕暮れの道端にふいに現れ
「おっちゃん、相撲とろ」
と言って怪力で大人を投げ飛ばすのが大好きだった
投げ飛ばされた男は足腰が立たなくなり一月は野良 ...
夜行観覧車(湊かなえ)
本編は2つの家族内の不和から起こる悲劇を描いている作品で、そのうちの一つの家族の話
母親、父親、娘の構成で高級住宅地に家を買って暮らしている。
ただし、金銭的に余裕がなくて小さな家しか買えず、
周りの「お金持ち」から見れば「分別の無いよそ者の ...