煌夜祭(多崎礼)
人を食う「怪物」が存在する中世風(?)の世界が舞台
物語を他人に語って利益を得る職業(道化みたいな)の男がいた(年齢不明)
男は下層階級の出身であり、ボロボロでみずぼらしい格好をしていたが、
何故かその日は上流階級の人間が暮らす ...
剣客商売/雨避け小兵衛(池波正太郎)
郊外で隠居暮らしの老剣士・小兵衛は、外出の帰りに驟雨に見舞われ、道端の百姓小屋に入る。
そこでしばらく雨が上がるのを待っていると、外から騒々しい声が近づいて来た。かと思うや、
気絶した少女を抱えた浪人者が小屋に逃げ込み ...
キューティ(グレッグ・イーガン)
明確な悲劇とかではないけれど、なんとなくもやもやする、というタイプの後味悪話。
『キューティ』
未来SF。何らかの理由により子を持てない親のために、
世界には「キューティ」という人工生命体が流通していた ...
クロスファイア(宮部みゆき)
少年の母親が再婚して弟ができた。
無口で大人しい少年と違って、弟はわがままなだだっ子だった。
母親に対してはベタベタと甘えていたが、
少年に対しては嫉妬をむきだしにして反抗する弟だった。
それでも初めてできた弟が嬉しく ...
川は静かに流れ(ジョン・ハート)
アメリカの田舎町を舞台にしたミステリーなのだが、かなり入り組んだ話
なので、先に主人公(アダム)の生育歴を簡単にまとめておく。
・裕福な大農場主の一人息子として生まれる。
・9歳、もともと病弱だった母自殺。それもアダムの目の前で拳銃自殺。 ...
玩具修理者(小林泰三)
ある喫茶店で向かい合っていた男女。
男の方がふと気になった事を女に質問する。
「何で昼間の間はサングラスをかけているんだい?」
その質問に対して女は答える代わりに突然昔話を始めた。
彼女が子供の頃、小学生だった彼女はすでに両親の愛情も小さな弟に取られており、 ...
Calling You(乙一)
友達が一人もいない孤独な少女の主人公が、頭の中で自分の理想の携帯電話を想像していたら、
その携帯に数時間ほど過去の時間から電話がかかってくるのよ
電話をかけてきたのは主人公と同じように孤独な少年で、少年も同じ ...
怖い目(田中啓文)
短編小説『怖い目』
主人公(女性)の恋人の民俗学者(男)は、ある時から目を患ってしまう
民俗学者としての将来を悲観した恋人は荒れ、やがて完全に失明してしまう
いくつもの病院をめぐったが「もう治らない」と言われ、神頼みとしていくつも ...
古墳の話(車谷長吉)
『古墳の話』
古墳好きの主人公。ある時、内部探索中に同じく古墳好きの少女と出会い、親しくなる。
二人は暗がりの中、お互いの顔を懐中電灯で照らしながら、密やかに会話する。
考古学者になりたいと語る少女に対し、主人公は検事になって悪人をやっつけたいと答えた。 ...
忌中(車谷長吉)
『忌中』
主人公とその妻は、地方銀行で知り合った。
漢字の書き取りが苦手な妻が、主人公に『憂鬱』の字の書き方を尋ねたのがきっかけだ。
やがて結婚した二人は、子は無いながらも幸せな歳月を送るが、老齢に差し掛かった頃に
妻が脳障害を煩い半身不随となる。 ...