老人と三人の若者(ラ・フォンテーヌ寓話)
ある所に、せっせと樹を植えている老人がいた。
その姿を見た三人の青年が笑いながら言った。
「お爺さん、あなたはどうせ長くないというのに
そんな風に一生懸命樹を植えて何になるのです?」
「人の運命は分かりません。 ...
せかいいちうつくしいぼくの村(小林豊)
少年ヤモは、兄が戦争に行ったため、
親を手伝って働いている。
ヤモの住むパグマン村は、
すももやさくらんぼ、果実がたくさん取れる
とても美しい風景の村だ。
春のある日、ヤモは父と一緒に
さくらんぼとすももを売 ...
狂人の太鼓(リンド・ウォード)
サブタイトルの通り文字のない「小説」なので、以下私の解釈。
成り上がりの奴隷商人が暗黒大陸アフリカで奇妙な太鼓を見つけ、なぜか魅せられて屋敷に飾る。
商人は幼い一人息子(主人公)を厳しくしつけ、ひたすら勉強させる。
息子が例の太鼓を叩い ...
白バラはどこに(クリストフ・ガラーツ)
舞台は第二次世界大戦中のドイツ。
「白バラ」という意味の名前を持つ少女はある日、
自分には微笑みウィンクしてくれたドイツ兵が、
戦車から逃げ出した一人の男の子を捕まえる光景を目にする。
戦車のあとを追い、ユダヤ人の収容所にたどり着いた白バ ...
王さまなくした時間(寺村輝夫)
今アニメもやってる児童向けのぼくは王さまシリーズの一篇です
Ⅱシリーズなので初期のしか知らない人は知らないと思う
やることなすこと時間に縛られた王さま
起きる時間とか勉強の時間とかなにもかもがタイムスケジュールで
押さえられていて色々と窮屈 ...
まっくろヒヨコ(ラスカル)
大量の黄色いヒヨコに交じって一羽だけ真っ黒なヒヨコが、
自分の本当の親を探して黒い動物を訪ね歩くという話。
黒ヤギだの黒猫だの黒豚だのの所へ行って
あなたは僕のパパとママですか?って聞くけど当然返事はNO。
黒ヒヨコが ...
巨鳥退治(松谷みよ子)
「巨鳥退治」
恐ろしいほど大きな持ちものを持った男がいた。
それ故、めとった女房が次々死んでしまう。
男は悲嘆して、まるで俺は化け物ではないか、
ならば村を襲っている巨鳥を化け物同士闘って退 ...
つつじのむすめ(松谷みよ子)
ある村の娘が、祭りで出会った男と恋に落ちた。
再び男に会いたくなった娘は、山を4つも越えた先にある男の家に行く。
驚く男だったが、再会を喜び、共に夜を過ごした。
それから、娘は毎晩男の家を訪ねるようになった。
両手に餅米を握りし ...
ラビスメナとディオニジア(海のそこからよぶ声)
昔々、あるお城にディオニジアという名前の、
とても美しい娘がいました。
彼女は母を早くに亡くし、王様のおとうさまと暮らしていました。
お姫様という身分のせいでお友だちのいないディオニジアは、
ある日海から「ディオニジア、ディオニジア」と ...
ギリシャ神話/アルテミス
若い猟師アクタイオンは猟犬を数頭連れて森で狩りをする途中、
森の奥深くの泉から水音がするのに気付いた。
そっと近寄ってみると、一人の美女が肌もあらわに沐浴中。
こんな人里離れた場所に普通の若い娘がいるはずがない。
これはマズイ!とその場を立ち去ろうとしたそ ...